だが、自分自身に関するあなたの考え方は、あなたの「現実」になる。自分自身と自分の能力について誤った結論に至れば、自分の可能性を制限してしまうことにもなるのだ。
思考と感情、行動の関係
思考は止まることのないサイクルの継続を促すものだ。あなたが考えることは直接、あなたの感情と行動に影響を及ぼす。だから、もし自分が“失敗者”だと考えれば、実際にそうであるように感じる。そうすると、失敗者として行動するようになる。それはさらに、自分は失敗者に「違いない」というあなたの思考を強化する。
例えば、「昇進できるほど能力がない」と言っている人は積極性に欠ける。つまり、昇進するのに十分な努力をしないのだ。そして、その努力不足は実際に、昇進を妨げる。
あるいは、自分は「人付き合いが下手だ」という人がいたとする。そういう人はパーティーなどに行っても、一人で壁際にじっとしている。誰も話しかけてくれなかったとすれば、その人は自分が社交的ではないのだという考えをさらに強くする。
思考は強化される
自分自身について何らかの結論を出すと、人は大抵、次の二つのことをする。まずは、自分の考えを固めるための証拠を探す。そして、それに反することを思考から排除する。
自分が失敗者だと考えるようになった人は何か間違いを犯すたびに、それは自分の力が不足している証拠だととらえる。また、何かに成功したとしても、それはただ運が良かったのだと考える。
少し立ち止まって、自分を押しとどめているのは自分の才能や技能の不足とは無関係かもしれないと考えみよう。力が足りないのではなく、最大限の力を出すことを妨げている、あなたの思考のせいかもしれないのだ。
より前向きな物の見方をすることは、より良い結果を生む。積極的な思考に魔力があるということではない。だが、楽観的な考え方は、生産的な行動につながる。生産的な行動には、より多くの成功のチャンスが伴う。