「新しい画像アプリが今必要かと聞かれたら、世間の大人の大半は『要らない』と答えるでしょう。けれど、一見飽和したように見える市場でも、優れたプロダクトを投入し、適切なマーケティングを行えばナンバーワンを目指せるのです」
ピクスアートのCBO(最高ビジネス責任者)を務めるウィルソン・クリーゲルはそう語る。
世界で3億ダウンロード突破
ピクスアートは世界で2億5,000万ダウンロードを突破し、月間アクティブユーザー数は7,500万人を超える画像編集アプリ。日本でも10代を中心に支持を拡大中だ。サンフランシスコに本拠を置く同社は昨年フォーブスが選ぶ「最もホットなスタートアップ企業」に選出。クリーゲルの指揮下で世界展開を進め、昨年末には東京にも拠点を設けた。
同社の企業価値は2億5,000万ドル(約280億円)。資金調達額は4,500万ドル(約51億円)にのぼる。しかし、インスタグラムやLINEカメラなど、競合ひしめく日本市場で果たして勝算はあるのか。そんな問いかけに対する回答が冒頭の一言だった。
2月中旬、来日したクリーゲルは関係者とのミーティングを重ね、女子高生ユーザーらのグループインタビューも行った。
「ピクスアートのコアなユーザー層は14歳から24歳の女性。日本のユーザーはアプリに求める完成度が非常に高い。この市場で勝てれば、アジアのどこに行っても戦えます。現状の日本でのMAU(月間アクティブユーザー数)は200万人程度ですが、適切なマーケティングを行えばもっと増やせると確信しています」