フィンテックはすでに、P2P融資(個人間融資)、決済、PFM(個人資産管理)、ロボアドバイザーなど各分野で大きなビジネスとなりつつあり、それはベンチャー企業による産業革命という位置づけになっている。問題は銀行との競合なのかあるいは協調なのかの銀行側の選択である。ここには金融規制、雇用維持、金融システムへの影響など先の読みづらい要素が多いが、米国銀行はAPIを開放し、むしろベンチャー技術を取り込む姿勢に傾きつつある。
ところで先日、大手銀行系カード会社からカード使用に際し年収証明の提出を求められた。気を利かせて税務署の捺印のある直近の修正確定申告書を提出したところ、「受け付けられません」と差し戻された。当然年収額は問題ではない。必要書類リストにない「修正申告書」ではなく、リストに掲げてある「確定申告書」が必要とのこと。ちょっとインターネットを検索すれば私の素性はわかるだろうに。日本の銀行はフィンテックをどのように取り組むかで躍起になっているが、まず変えなければいけないのはカルチャーなのかもしれない。