フィレンツェの「エノテーカ・ピ ンキオーリ」といえば、ミシュランの3つ星を2度獲得した実績とともに、オーナー夫妻がワインの蒐集家であることでも知られる名店。その流儀を受け継ぐ「リストランテ クロディーノ」は、かつて彼の地の本店で研鑽を積み、東京店が存在したころにはそこでソムリエとして活躍した黒田敬介が開いた本格派イタリアンだ。ゆえに通常ではグラスで楽しむことができないような高級銘柄も料理に合わせてグラスで楽しめるし、イタリアのみならず、フランスの銘醸ワインも揃えられている。厚さ5cmに及ぶリストには、手ごろな価格のものから超高級銘柄まで、500種以上のアイテムが価格別に掲載されている。
料理に合わせてグラスワインをコース仕立てで楽しめるのも、特徴のひとつ。「グラスワインテースティング」には4つのコース(¥3,680~¥30,000)があり、銘柄は二択となる。例を挙げるなら、¥10,000のコースの2番目のワインはシャサーニュ・モンラッシェ(2008年)、またはニュイ・サン・ジョルジュ(2003年)の二択。しかも1種につき1杯ではない。「グラスが空いているお客様には注ぎ足します」と、黒田氏は当たり前のように話す。ここにもワイン好きが心を掴まれる魅力がある。
3年前に開業した銀座店に続いて14年10月に開かれた神楽坂店は、松浦章博画伯の油彩画が印象的な落ち着いた雰囲気。エノテーカ・ピンキオーリで黒田氏の部下だった出久根洋二マネジャーをはじめ、「ブルガリイル・リストランテ」出身者が活躍する。モダンなイタリア料理とワインのマリアージュを望むなら、これ以上の店はないだろう。
ristorante KURODINO Kagurazaka(写真左)
●東京都新宿区神楽坂5-1-2 神楽坂TNヒルズ3F
☎ 03-6280-7093
営11:30~14:00LO/18:00~21:30LO
休 水、第1・3火
ランチ¥1,810~、ディナー¥5,420~、グラスワイン¥710~。
kurodino.com