スイスとの違いを見るに、日本のほうが景気押し上げ効果を持ちそうだ。
日本銀行は1月29日、新たな金融緩和手段として、政策金利をマイナス0.1%にすることを発表した。マイナス金利は民間銀行が今後、新規に日銀に預ける超過準備に適用される。民間銀行が消費者や企業からの預金金利をマイナスにするのか、銀行からの住宅ローンや企業へのローンにまでマイナス金利を設定するのかは、まだわからない。
日銀はなぜ、このタイミングで追加的金融緩和に踏み切ったのだろうか。日銀は「このところ、原油価格の一段の下落に加え、中国をはじめとする新興国・資源国経済に対する先行き不透明感などから、金融市場は世界的に不安定な動きとなっている。このため、企業コンフィデンス(信用)の改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大している。日本銀行は、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、2%の『物価安定の目標』に向けたモメンタムを維持するため、『マイナス金利付き量的・質的金融緩和』を導入することとした」と説明している。