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フォーブス ジャパン編集部 編集者

ブラジルはジカ熱の脅威に晒されている (Photo by Mario Tama/Getty Images)

そもそも、途上国支援のための新薬開発は、民間企業にとって“おいしい話”ではないはずだ。開発のために人的なリソースを確保しなくてはいけないし、新薬ができても薬価を高く設定することができず、利益が取れない。にもかかわらず、なぜ日本の製薬各社はGHIT(GHIT Fund、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金)に賛同し、年間1億円もの資金を拠出するのか。

感染症薬の専門メーカーである塩野義製薬の手代木功社長は、国内の感染症薬の現状について、こう説明する。

「感染症治療薬の開発の歴史は、がんなど他の病気と比べると古く、価格は当時からほとんど変わっていません。ビジネスとしての見通しが非常に難しいことなどから、多くの製薬企業がかなり早い時期に撤退しています」

日本では戦後、GHQによる占領下で公衆衛生の改善が進み、その後も政策的に取り組んだことで、寄生虫などによる感染症などはすでに制圧されている。国内の需要がなくなったのだから、製薬会社の関心がほかに移るのは自然な流れだろう。

ただ、人やモノがグローバルに移動する現在、国外から感染症が入り込む可能性は十分にあるし、実際に14年には東京でデング熱の感染が確認されている。手代木社長は言う。

「既存の感染症もあれば、新たな感染症もあり、その闘いには終わりがありません。世界のどこかで大流行したときのために、誰かが継続して取り組まなければばなりません」

一方、第一三共の中山讓治社長は、感染症対策は製薬メーカーならではの社会貢献と捉えている。「製薬会社には創薬の過程で得たたくさんの知見があります。それを生かした社会貢献をしたい」

アステラス製薬の畑中好彦社長は、協業のメリットに期待する。

「GHITの取り組みを通してパートナーと協働することで、当社が単独ではできなかった大規模な活動が可能になります。そこで得られた知見やネットワークを、今後の事業活動に生かしたいと考えています」

フォスター・マーティン、大木戸 歩 = 文 ダミエン・シュマン = 写真

 

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