グーグルは以前からキューバでの事業開始の動きを模索してきた。昨年夏、キューバを訪れた筆者は、地元の起業家らがグーグル幹部と面談した事実を度々聞かされ、筆者自身もグーグルの中堅幹部と出くわした。彼らは当時既にキューバ政府関係者と面談を行っていた。
エアビーアンドビーやネットフリックスもキューバ進出開始
キューバ政府とグーグルの交渉は現在進行中であり「まだ初期の段階だ」という。グーグル担当者はブログの投稿で「エアビーアンドビーやネットフリックス、さらにStripeといったテック企業が、キューバに進出を開始した」と述べた。
この投稿はグーグル・アクセス(Google Access)で“キューバ部門長”を務めるブレット・パルムター(Brett Perlmutter)が執筆している。グーグル・アクセスはアルファベット傘下の一部門で、グーグル・ファイバー(Google Fiber)プロジェクトやその他のブロードバンド事業を手がけている。
英語とスペイン語で書かれた投稿で、パルムターは「オバマ大統領の訪問中に、グーグルはハバナでいくつかの製品のお披露目を行う予定だ」とした。彼はさらに次のようにも述べている。
「グーグルはこれまで様々な国でサービスを行ってきた結果、テクノロジーが人々の暮らしを大きく変えることを知っています。新たな情報や体験により、その国独自の創造性を開花させるのです。キューバの人々により多くのサービスを提供していくことを望みます」
キューバ人たちはこれまでネットにつながる社会を切望してきた。ブロードバンドは導入されたものの、ネットにアクセスできるのはごく限られた人々だった。キューバ人たちは数年前からEl Paquete Semanalと呼ばれる、大容量のハードディスクを用い、デジタルコンテンツや情報の配布を密かに行ってきた。
これは一部では「箱に入ったインターネット」と呼ばれる手法だ。ウェブ上に公開されたテレビ番組や、デジタルマガジン、アプリやソフトウェアのデータがつまったハードディスクを各家庭が所有し、人海戦術でコピーされたデータが広がっていく。そのネットワークは非公式にキューバ全土に広がり、週一回のデータ内容の更新に1ドルから2ドル程度の料金を課すビジネスモデルも確立された。
その一方、キューバでは既に宅配レストランの「Niuris Higueras」やオンラインマガジンの「Vistar」、レストラン紹介アプリの「AlaMesa」などのスタートアップが始動しており、エアビーアンドビーは昨年4月に既に、キューバでの事業を開始していた。
下記にフォーブスがこれまで掲載したキューバ関連のリポートへのリンクを掲載する。
オンライン決済Stripeがキューバに上陸 オバマ政権も後押し
http://forbesjapan.com/articles/detail/11611
キューバで一攫千金を狙うスタートアップ企業
http://forbesjapan.com/articles/detail/6574
キューバで始まったAirbnbブーム 米国との国交正常化に期待
http://forbesjapan.com/articles/detail/8731
新時代に突入するキューバで40人のアメリカ人起業家が学んだこと
http://forbesjapan.com/articles/detail/10293