ビジネス

2016.03.22

「日本」を背負い、とことん現地にコミットして勝つ

ベトナムにあるテラモーターズの販売店

3月16日、電動バイク(EV)の開発、製造、販売を手がけるテラモーターズの徳重徹代表取締役社長が、ドローン事業への進出をを発表した。いま、既存のEV事業の進捗はどうなっているのか。フォーブス ジャパンは、徳重社長にインタビューを行った。

テラモーターズ 代表取締役社長 徳重徹氏
(インタビュアー:フォーブス ジャパン副編集長/WEB編集長 谷本有香)

谷本有香(以下、谷本):2010年にテラモーターズを創業されてから6年が経ちましたが、進捗はいかがですか。
 
徳重徹(以下、徳重):従来の売上は2億円や3億円でした。これから2015年度の決算を出しますが、今年度の売上げは約30億円を見込んでいます。

谷本:約10倍ですね。スピード感もある。どのようにして、ここまで売上げを伸ばしたのですか?

徳重:設立2〜3年目から国内では“電動バイクトップシェア”と言われてはいたのですが、日本の市場自体が小さいので、台数にして年間2,000台とか3,000台程度でした。2011年にベトナムに工場を建設して車体の開発を始めても、ものづくりですから結果が出始めるまでには2年ほどかかりました。

その後、2014年にフィリピンで行われたアジア開発銀行のファイナンスによる3輪タクシー10万台電動化プロジェクトに参加。応募した29社のうち最終選考の3社に残った段階で、資金10億円を調達したんです。フィリピン政府、アジア開発銀行の両方が関わっているからかなり本格的だと見込んだのですが、最後の段階でキャンセルされてしまった。

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[左]テラモーターズ 徳重徹 代表取締役社長
[右]フォーブス ジャパン副編集長/WEB編集長 谷本有香(衣装協力:オットージャパン)

投資家からお金を集めたわけですから、なんとか数字を出して少しでも早く挽回しなくてはいけない。それまで以上に必死になりました。

駆けずり回って、なんとか見つけたのがバングラデシュとインドの市場でした。進出したのが2015年。この2か国では、日本で1年かけて出した数字を1か月で達成しているんです。数字にするとバングラデシュで月に約1,000台、ベトナムで月に約2,000台販売しています。
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文=吉田彩乃 編集=谷本有香 人物写真=藤井さおり

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