マーケティングコンサルタントの米ディスティラリー(Dstillery)は、視聴者が携帯端末を使用していなかった時間帯を割り出すことによって、その答えをはじき出した。
同社はまず、スーパーボウルの試合が放映された5時間(米東部標準時の午後6~11時)の携帯端末の使用状況を前週の同時間帯と比較。10秒刻みでその動向を追跡した。
ウェブブラウザーや携帯端末で見ることができる広告については、プログラマティック広告を取り扱う企業間で出稿の機会を得るためのオークションが行われている。ディスティラリーはこうしたオークションに参加しており、どのような携帯電話やアプリ、OS(バージョン別に)が使用されているかについての匿名データを入手している。
分析の結果、視聴者は携帯端末を利用していないときにテレビを見ている可能性が高いと推測できることが分かった。さらに、ディスティラリーのトム・フィリップスCEOによれば、「試合中に何か大きなことが起きているとき、視聴者はあまり携帯端末に注意を払わない。試合中に重大な展開があったときには携帯端末の利用が大幅に減少しており、これは事実と考えてよい。つまり、視聴者の注意が常に携帯端末とテレビのどちらかにあるとすればそれに基づき、試合中に放映された広告のいずれが最も注目を集めたかを推測することができる」。
そのほかにも、視聴者は放映時間中の早い段階では広告に注意を払うものの、時間を追うごとに関心が薄れていったことが分かった。最も視聴者の注目を集めたCMトップ20のうち18本は、第一クォーターの間に放映されたものだった。
試合中に注目を集めたCMトップ20
1 ソファイバンク(SoFi Bank、フィンテック)
2 ペイパル
3 ビュイック
4 タコベル
5 スニッカーズ
6 ミケロブ・ウルトラ(Michelob Ultra、ビール)
7 モバイル・ストライク(Mobile Strike、ソーシャルゲーム)
8 マウンテンデュー「キックスタート」(飲料)
9 ドリトス
10 ショックトップ(Shock-Top Beer、ビール)
11 『ジャングルブック』(Jungle Book、映画)
12 現代自動車「ジェネシス」
13 アドビル(鎮痛剤)
14 メキシコ産アボカド
15 マーモット(アウトドアブランド)
16 ターボタックス(Turbotax、税務ソフトウェア)
17 アウディ
18 バッドロボット(Bad Robot、映画製作会社)
19 コカ・コーラ
20 スクエアスペース(Squarespace、ウェブサイト制作)