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2016.02.09 12:01

話題のクリーンイーティングに着目、勢いにのる食品系スタートアップ

Westend61 / Getty Images

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「正直に言うと、クリーンイーティングに取り組むまでは、食べたいものを何でも食べていました」と、カトリン・スミス(27)は打ち明ける。スミスは、ピザ生地やパンケーキ、マフィンなどの“ベイキングミックス”を製造するスタートアップ、Simple Millsの創業者だ。
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スミスは高校生の頃から慢性の関節痛や風邪の症状に悩まされ、その不調を「普通」とさえ思っていた。しかし、食事の見直しによって関節痛が治ったという友人のアドバイスを参考に、様々な料理を試作しクリーンアップに取り組んだ結果、健康状態は改善。「その経験から、シンプルで、素材を余さず使った食品の需要は非常に高く、そういう食品がもっと身近になるべきだと感じたんです」と話す。

“ベイキングミックス”の会社を立ち上げるという構想は、デロイト トーマツに在職中、出勤前後にレンタルキッチンでレシピを試していた頃に思いついた。2013年にSimple Millsを立ち上げると、開発した商品は1年以内に25店舗で取り扱いが始まった。

駆け出しの頃はレシピ開発で何度も壁にぶつかったというが、「起業家としての醍醐味は、不可能を可能にする方法を見つけ出すこと」と乗り越え、現在は、ホールフーズやセイフウェイを含め全米1,700の小売店で取り扱われるまでに成長。2015年は485,000個を売り上げた。
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スミス曰く、同社の顧客層は2種類にわけられる。一つはこれまでとは違う健康的な食生活を目指す「ヘルシー志向」のグループ。もう一方は、商品あたりの栄養価や付加価値の高い製品を、スーパーなどでも購入したいと考えるグループだ。「消費者の多くは、毎日食べるものならより効果の高いものを摂取したいと考えているはずです」

アーモンドやココナッツの粉をベースにした“ベイキングミックス”は、全7種類の原材料を使用している。グルテンフリーで遺伝子組換え食品も使っておらず、パレオダイエットにも向いているという。最新の食トレンドとなったクリーンイーティングについてスミスは「少し前とは比べものにならないくらい、食事のクリーンアップがもたらす健康効果に大きな関心が集まっています」と話す。

自己資金で起業し、その後エンジェル投資家や友人らによる出資と母校シカゴ大学のビジネスコンペティションで獲得した賞金を合わせて計200万ドル(2億4000万円)を調達。同社は間もなくシャルロット キャピタルパートナーズが出資したシリーズA(ベンチャー企業に対する投資の第一段階)を完了し、今後はすでに同社へ出資している投資家からの増資を見込んでいる。

自身初の起業を振り返り、「チームのメンバーを集めること自体難しいし、そこから良い仲間と組織を気づいていくことはさらに大変です。立ち上げ時に失敗をして、いい仕事をするためには長い時間がかかるということも身をもって学びました」と明かすスミス。次なる起業家へ向け「ふさわしいメンバーが見つかるまであきらめてはいけません。辛いことも、なかなか思い通りにいかないこともあるかもしれないけれど、努力は必ず報われるから」とメッセージを送る。

Simple Millsは、この春から調理不要の商品を発売するなど2016年は重大な事業計画が目白押しだ。事業ビジョンについて尋ねるとスミスは「当初から、“ベイキングミックス”だけで終わらせるつもりはありませんでした。会社が成長軌道に乗り始めた今、いよいよ事業拡大に本格的に取り組んでいけます」と語った。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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