今回紹介するシリコンバレーの女性達に関する調査は、対象をエグゼクティブに限って行われたものだ。222人の回答者は全員10年以上シリコンバレーで働いている。その4分の3がヴァイス・プレジデントかそれ以上の肩書きを持ち、子供がおり、年齢は40歳以上だ。
調査によると、60%の女性が職場で気乗りのしない相手に口説かれたことがあるという。その65%は上司からのものだった。彼女らを性的な興味の対象としてしか見ておらず、仕事の能力には期待していないということを態度で示すものだったという。
また、66%が仕事の上で重要なネットワークを広げる機会やイベントから外されていると感じている。業界関係者の集まりや会議などで、女性差別につながるような行為を目撃したことのある女性は99%にのぼる。女性たちが招かれることのない場で、本当に重要な仕事上のつながりは作られているのだ。
職場の中で無意識に行われている差別にもこの調査は焦点を当てている。88%の女性が、クライアントや社内の人間が質問する相手は、彼女ではなく一緒にいる男性社員だと回答している。男性社員の目を見て話している相手が、自分には目を合わせてくれない経験を持つ女性は84%にのぼる。
家族に関する質問も重要だ。75%が「結婚しているのか」「子供はいるか」といった質問を面接の時に受けているが、40%の女性はそれが果たして必要だったのか疑問をもっている。最近はマーク・ザッカーバーグが2ヶ月の育休をとり、マリッサ・メイヤーが双子を出産した後、2週間の休みをとったことで、メディアは盛んに育児休暇の事をとりあげるが、52%の女性は「育休を規定より早めに切り上げた」と答えている。仕事のキャリアに望ましくない影響が生じると考えたからだ。
一番やっかいなのは職場でのハラスメントだ。ハラスメントを受けたことのある女性のうち、39%は自分のキャリアに傷がつくと思ったので何もしなかったと答えた。30%は早く忘れてしまいたかったので何も訴えなかったと回答した。そして、ハラスメントを受けたことがあると報告した回答者の60%が、自分がそうした態度をとったことに後悔しているという。
この調査を行った二人の女性、VassalloとMadanskyはニュースサイトRe/codeの編集者Kara Swisherを交えたポッドキャスト番組で、調査結果について話し合った。
「こうした問題がいかに蔓延しているかを女性たちが自らの体験を通して人々に知らせることで、それに関する議論が活発になることを期待している」と彼女らは述べている。