1. 雇用が増加する
2016年、インドでは雇用が大きく増加するものとみられている。多くの企業で、10%程度の賃上げが見込まれている。インドの国家公務員の給与引き上げを検討していることも、産業界に波及効果をもたらすであろう。労働市場に関する調査”Antal Global Snapshot”によると、インド企業の88%が、2016年中に求人を増加させる計画を持っているという。こうした労働力の増加に伴い、新製品需要が高まるものと考えられる。
2. 市場規模が拡大する
2016年のインド株式は他の新興経済を上回る、10%の投資収益が見込まれている。市場の拡大が進むと、多くの産業で技術が進化していく。こうしたインドの新興企業は、ハイテク企業にとってまたとない販売機会となるだろう。
3. インド経済は急速に成長する
2016年のインドの経済成長率は7.3%と見込まれており、世界でもっとも高い経済成長を記録することになりそうだ。昨年の経済成長も7.2%と好調だった。アジアには他にも経済成長が好調な国はあるが、中国の6.4%をはじめ、インドには1%以上及ばない。好調な経済を受けて、インドは新しいマーケティングやセールスの活動に門戸を開くことになるだろう。
4. インド経済は困難を克服できる
世界的な金融危機、地政学的紛争、その他国内外の諸問題など、インド経済にも懸念材料は存在する。しかしこれまでの実績では、インド経済はマイナス要素を打ち消して余りある成長を遂げてきた。クレジット・スコアリングの代表的な企業、Free Score India共同創業者のArun Ramamurthy氏は、「エンジェル投資の増加と、インド経済の好調さを受けて、2016年には多くのインド企業がIPOを計画しています」と語っており、企業活動の活発化を裏付けている。クライアント企業のマーケティング上の課題を解決し、成長目標の達成を手助けする企業も出現しはじめた。成果報酬型のソリューションを提供する企業もあり、米国企業がインドでの事業機会を探る際には、こうした企業が鍵となるかもしれない。
5. GDPも拡大する
2015年に5.9%拡大したインドのGDPは、2016年には6.3%成長を記録する見通しだ。インドほどの人口を抱える国にとって、成長率の0.4%の増加は大きい。実際、この増加は過去5年で最大である。
6. 貧困対策が進む
雇用の増加に伴い、2016年のインドでは、貧困層を減らす努力が実行に移されることになりそうだ。雇用が増加すれば、購買力が向上する。これも、先進国にとって新たな販売機会となるだろう。特にインドのテクノロジーセクターは2016年にさらに注目され、インドに多くの投資を呼び込むことになると予想される。