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2026.11.05 08:56

AI黙示録は来るのか 投資家が見落とす「認知資本」という視点

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AIのリターンは、仕事、役割、テクノロジーをどう組み合わせるかについての複数年にわたる再設計にかかっている。現在の会計では、そうした組織的投資の多くが貸借対照表から抜け落ちている。

投資家は今週、誰がAIの構築を資金面で支えられるのかを問い続けた。それは妥当な問いである。しかし、重要な問いの半分にすぎない。もう半分は、その支出がリターンを生むために何と組み合わせられるべきかである。答えは、企業内の雑然とした業務を認知資本へと変える仕組みであり、その組織的投資の多くは当期費用として計上されている。

資金調達の問題は現実のものだ。水曜日には、予想を上回るインフレ指標を受けてナスダック総合指数が1.88%下落した。ブロードコムの最高経営責任者(CEO)であるホック・タンは同週初め、AI拡大にとって、チップや電力の不足よりも資金調達の方が大きな障害になり得ると警告していた。6月30日時点で約351億ドル(約5兆5500億円)の債務と165億ドル(約2兆6100億円)のリース負債を計上したCoreWeaveは、データセンターブームが信用に依存して進んでいるのではないかという懸念の焦点となった。これらはいずれも資本の帳簿、すなわち債務、金利、そして売上が間に合うかどうかに関わる問題である。

容易なリターンと困難なリターン

企業はまず、容易なリターンに手を伸ばすことができる。既存のプロセスを取り、その一部を自動化するのだ。その結果は人員数に表れ得る。人員数は数えやすい。10月14日に公表された米連邦準備制度理事会(FRB)のベージュブックは、12地区のうち5地区の一部企業が、AIによって生産性を高めた後、自然減による人員削減、採用延期、または雇用増の抑制を行ったと報告した。FRBはまた、ほとんどの地区で全体の雇用にほとんど、またはまったく純変化が見られなかったとも指摘した。Challenger, Gray & Christmasのデータによると、9月までに発表された米国の人員削減のうち、AIが理由として挙げられたものは12万人超で、全体の約21%に上る。

証拠は、報告されるAIの成果が強いほど、ワークフローの再設計と結びついていることを示している。マッキンゼーの2025年調査では、回答者の39%が、企業レベルのEBIT(利払い・税引き前利益)への何らかの影響をAIに帰属させた。その大半は、自組織のEBITのうちAIに帰属する割合は5%未満だと答えた。マッキンゼーが高業績企業に分類した約6%は、自組織のEBITの少なくとも5%をAIに帰属させ、大きな価値を報告した。2026年調査では、高業績企業の4分の3近くが、AIによってワークフローを根本的に再設計したと答えたのに対し、それ以外では約4分の1にとどまった。デロイトは、調査対象組織の37%が既存プロセスをほとんど、またはまったく変えずに、表層的なレベルでAIを利用しているとした。

レイオフを実施した人事担当者600人を対象としたCareermindsの調査では、AIを理由に人員を削減した組織の回答者の約3分の2が、その一部の職務についてすでに再採用を進めていると答えた。この調査は自己申告に基づくものであり、再採用がその削減の誤りを証明するわけではない。ただ、既存のプロセスを速くするだけでは限界があるという考えとは整合的である。

困難なリターンに必要なもの

私は認知資本を、価値を生み出すためにコード化されたプロセス、アルゴリズム、データと定義している。(認知資本がプライベートエクイティの成長問題を解決できるかについては、最近のForbes記事を参照。また、バイオニック組織に関する私のStrategy + Businessの記事も参照されたい。)それは3つの源泉から育つ。第1は、暗黙の人的知識を明示化したもの。第2は、人間が大規模に標準化するには量が多すぎる、または変化が速すぎる明示知。第3は、機械がデータの中に見いだす、人間がそれまで持っていなかったパターンである。

優れた経営は常に、何をコード化できるかの境界を押し広げてきた。品質運動は、工場現場でそれを実行するための仕組みだった。デミングとその後継者たちは、熟練工が感覚で知っていたことを統計的管理と手順へと変えた。しかし、その仕組みは、標準を書き起こし、教え、徹底させる訓練された人々の階層によって成り立っていた。

より困難なリターンは、その階層を、機械を含む何かに置き換えることから生まれる。企業内の非構造化・半構造化された業務、すなわちメール、例外処理、判断、回避策を継続的に取り込み、構造化する常設の仕組みを想像してほしい。機械は人間には不可能な量を読み取り、パターンを浮かび上がらせる。人間は判断を提供し、何を標準にするかを決める。各サイクルは認知資本の蓄積に加わり、その追加分は次のサイクルのコストを下げ得る。これは終了日を持つプロジェクトではなく、恒久的なオペレーティングシステムである。

それを構築するには、プロセスと役割の再設計が必要になる。また、テクノロジーと事業の関係も変わる。テクノロジー部門はもはや、仕様に合わせてツールを構築するベンダーではいられず、事業部門もまた、要件を渡す顧客ではいられない。両者はそのシステムを共同で所有する。

テクノロジー企業ではない2社

テクノロジーセクターの外にある2つの大企業は、このアプローチの要素と、それを見極めることの難しさを示している。

JPMorgan Chaseは銀行全体でAIを活用している。2月の投資家向け説明会で、ジェイミー・ダイモンは、約15万人の従業員が毎週同行の社内AIプラットフォームを利用しており、1人あたり週に約4時間を節約していると推計していると述べた。さらに同行は、その時間を正味現在価値の計算に含めておらず、人員削減に相当するものとしても扱っていないと付け加えた。2025年の総従業員数は約31万8500人でほぼ横ばいだったが、構成は変化した。オペレーション担当者は4%、サポート担当者は2%減少した一方、収益を生む職務とフロントオフィス支援の職務は4%増加した。ダイモンはまた、AIはすでに一部従業員を現在の職務から移し、同行は彼らに別の職を提示したとも述べた。

従業員210万人を擁するWalmartは、半構造化された業務をめぐるツールを構築してきた。同社は昨年、店舗従業員向けの会話型アシスタントに週90万人超のユーザーがあり、1日300万件超の問い合わせに対応していると述べた。また、長い業務手順ガイドを段階的な指示に変換するアップグレードを発表した。44言語で利用できる同社のリアルタイム翻訳ツールは、Walmart固有の知識で強化され、フィードバックループを通じて改善されている。4月、Walmartの最高人事責任者(CPO)であるドナ・モリスは、同社の従業員数は6年前とほぼ同じだが、売上高は大幅に増えており、AIによる職務の置き換えは見られていないと述べた。また、ほとんどの仕事はAIによって形づくられるが、根本的に作り替えられるわけではないとも述べた。ここでの再設計は、役割の内側にある仕事の再設計である。

なぜ帳簿はそれを隠すのか

両社が何を強調しているかに注目してほしい。ダイモンは、節約されたとする時間を直接、人員削減に換算していない。モリスは、その目的を顧客との対面業務に充てる時間を生み出すことだと説明したが、その成果には独立した勘定科目がない。どちらの発言も、測定された財務リターンを示しているわけではない。

会計は、その組織的投資を擁護しにくくすることがある。米国の会計基準では、プロセスのリエンジニアリングや人員再編にかかる費用は、ソフトウェアプロジェクトに伴う場合であっても、発生時に費用計上される。要件を満たすソフトウェア開発費は資産計上できる。国際基準では、内部プロジェクトの研究段階における支出は発生時に費用計上しなければならない一方、開発支出は必要な基準を満たした時点で資産計上しなければならない。したがって、認知資本システムを構築するための組織的コストの多くは損益計算書に載る一方、その能力全体については貸借対照表上に独立した測定項目がない。投資回収は数年にわたって現れ得る。

ここで、今週の市場環境の中に最高財務責任者(CFO)を置いてみよう。信用投資家は短期的なキャッシュフローを求めている。数えられる施策は明確だ。チップを買い、人件費を削ることである。実際に複利的に効く投資こそ、会計が最も擁護しにくくしているものだ。インセンティブは、最も重要な仕事に逆行している。

問うべき3つの質問

大手テクノロジー企業が今後2週間で決算を発表する中、投資家と取締役は資本支出額以外に3つのことを問うことができる。

第1に、AI支出のうち、仕事の進め方を再設計するためのものはどれだけで、既存の仕事をそのまま自動化するためのものはどれだけか。

第2に、事業部門とテクノロジー部門が共同で所有し、非構造化・半構造化された業務を構造化された形へ変換する常設の仕組みはあるのか。あるならば、それはどのように強靭で成長しているのか。

第3に、企業はAIへの複数年投資をどのように追跡しているのか。目先の果実だけでなく、大規模で変革的な変化をAIアジェンダに取り込めるよう、複数年投資を適切に会計処理しているのか。

ウォール街がAI構築を監査するのは正しい。業務執行の幹部は、オペレーティングレバレッジとイノベーションを生み出すAI能力に目を向ける必要がある。幹部には成果への責任を負わせるべきだが、AIがまったく異なる種類の組織を生み出す能力を示しているからといって、臆病で短期的な変革アジェンダにしてはならない。哺乳類が台頭しつつあるときに、恐竜にセーターを着せていてはならない。

(forbes.com 原文)

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