量子コンピュータ企業のIonQの株価は、米国時間2026年11月2日までの1カ月で35.6%下落した。米国の主要企業500社で構成する株価指数、S&P500種株価指数は同期間で2.3%の小幅な調整にとどまっている。IonQ株が急落する間も、市場全体は底堅さを保っていた。
IonQ株はまた、上場以来、市場全体を襲った5回の急落局面を経験している。市場全体の調整局面において、同社株はどれほど下落し、元の水準を回復するまでにどの程度の期間を要してきたのか。そして、元の水準に戻るまでに、どれくらいの期間がかかるのか。
市場急落時、下落率はS&P500の約3倍に達する
上場以来の5回の急落局面を通じて、IonQ株は平均37.5%下落した。同じ期間のS&P500の下落率は、平均13.4%である。最大の下落幅を記録したのは、2022年の「インフレショック」時だ。物価の高騰を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを進めるなかで起きた株安で、IonQ株は75.0%、S&P500は24.0%下落した。2025年に発生した関税引き上げ懸念に伴う調整局面では、S&P500の19.0%安に対し、IonQ株は46.0%安だった。
5回とも、IonQ株はその後、下落前につけた終値ベースの高値を取り戻している。底値から回復するまでにかかった期間は、中央値で2.2カ月だった。ただし、そのうちの2回は回復に1年近く、あるいはそれ以上かかり、最も長かった2022年の下落のあとは14.6カ月を要した。
これらはあくまで過去のトラックレコードだが、足元の業績実態はどう推移しているのか。
IonQの売上高と損失は、ともに大きく膨らんでいる
IonQの2026年6月までの12カ月間の売上高は2億4600万ドル(約389億円)で、前年の同じ期間から370.6%増えた。営業損失も、3億6700万ドル(約580億円)から10億600万ドル(約1589億円)に膨らんだ。さらに、売上原価の上昇により収益構造も悪化している。売上高から原価を差し引いた利益が売上高に占める割合である「売上総利益率」(粗利率)は、1年前の53.8%から29.3%に低下した。



