ブランドが社会に還元するとは、どういうことなのか。これは高尚な目標を測るために用いられる大きな問いである。グリーンウォッシングや、持続可能性をめぐる空疎な約束、過剰消費がはびこる世界では、ブランドの影響を正確に測ることは難しい。
しかし、「エリザベス・スカーレット(Elizabeth Scarlett)」にとって、自らの影響力を測る尺度はゾウの数だけで十分だ。救われたゾウの数は、まさに205頭。この数字は、同ブランドの野生動物保護イニシアチブを通じて救われた500頭以上の動物のほんの一部に過ぎない。
ポーチやトラベルバッグなどの刺繍アクセサリーを専門とするこの英国発ブランドは、売上の2%を野生動物保護に寄付している。今年、同ブランドはひとつの節目を迎えた。寄付総額が100万ポンドに達したのだ。「野生動物保護への寄付額が100万ポンドに達したという節目は、私たちが過去11年間にわたって取り組んできたすべての集大成のように感じられる」と同ブランドの創業者であり、自身の名を冠したエリザベス・スカーレットは語る。「これまでに78万5000ポンドが寄付され、2026年末までにさらに21万5000ポンドが寄付される予定で、保護活動への寄付総額は100万ポンドに達する。その支援は、ケニアでの孤児ゾウの救助と野生復帰から、アセンション島でのウミガメの保護、インドでのトラやヒョウの保護支援に至るまで、陸と海のプロジェクトに届いている」
差し迫る必要性
筆者がこの記事を書いている最中も、ボルネオ島では山火事が猛威を振るい、そこに生息する絶滅寸前のオランウータンの個体群を脅かしている。そしてここ米国では、絶滅危惧種法が骨抜きにされつつあり、重要な生息地の破壊を招くことになる。環境団体「生物多様性センター」のノア・グリーンウォルドはPBSニュースの取材に対し、「生息地の破壊を引き起こす特定の産業を適用除外にすれば、多くの場合、それらの種にとっての最大の脅威を適用除外にすることになる」と述べた。
だからこそ、スカーレットの発表は絶好のタイミングで届いた。彼女の取り組みは、かつてないほど重要になっている。「昨年、私たちはアフリカペンギンを守るための法的キャンペーンの勝利に貢献した」と彼女は語る。アフリカペンギンについては、2035年までに絶滅すると推定する向きもある。「今年、私にとって個人的にとても特別だったのは、南アフリカの南部アフリカ沿岸鳥類保全財団の保護施設を訪れ、私たちが支援したペンギンを見たことだ」。来月には、ブランドの最も長い付き合いのパートナーの1つであるシェルドリック・ワイルドライフ・トラストを訪ねるため、ケニアに向かう予定だという。
「取り組みを始めて11年が経ち、本当に多くの素晴らしい節目があった。アセンション島でブルー・マリン財団のタートル・レンジャー・プログラムに資金提供し、同プログラムが最近、過去最高の産卵数を記録したことは、大きな成果だ」と彼女は語り、2025年に訪れた際には、岩場で動けなくなったウミガメを海へ戻すのを手伝ったことを振り返った。「ハイドパークで世界ゾウの日を実現させるなど、コミュニティ主導の素晴らしい節目もあった。本当に喜ばしい一日だった。どの節目も、その場に立ち会い、関われたことが光栄だった」
資金が、ウミガメのふ化したばかりの子ガメを営巣期を通じて守るために使われるにせよ、絶滅の危機にあるクロサイにGPSタグを装着するために使われるにせよ、エリザベス・スカーレットの保全への約束を多くのブランドと一線を画すものにしているのは、目に見える現実のインパクトだ。「単なる数字ではない。現在進行形で行われている実際の保全活動を表している」と彼女は語る。「世界のどこかで、獣医チームがパトロールに出ており、レンジャーが現場で働き、孤児になった動物が世話を受け、あるいはふ化したばかりのウミガメが海へ向かっている。そうしたことを可能にするうえで、私たちが小さな役割を果たせたと思うと、素晴らしいことだ」
自然に身についたもの
スカーレットにとって、動物への愛情は幼い頃から始まっていた。「幼い女の子の頃から、野生動物や動物に夢中だった。育った家は動物園のようだった」と彼女は言う。「最初期の記憶は、ポケットいっぱいに貝殻を詰めたり、父との散歩で食べられるものを探したり、イモリやカエルの卵を見つけたりしたことだ」
やがて彼女は絵を描き始め、わずか7歳でジャガーを描いたことさえ覚えている。質感や細部を正確に捉えるためにその動物を調べたことを記憶しており、その驚嘆の念は、エリザベス・スカーレットのデザインにも今なおはっきりと表れている。彼女がブランドを創業したのは、わずか25歳のときだった。最初に発売したのは小規模なクッションと寝具のコレクションで、顧客は口コミでたどり着いた。
しかし、やがて彼女は、人々がそれらを贈り物として購入していることに気づいた。そこでアクセサリーへと展開し、間もなくアンソロポロジー(Anthropologie)、ジョン・ルイス(John Lewis)、フォートナム・アンド・メイソン(Fortnum & Mason)に取り扱われるようになり、その後まもなくノードストローム(Nordstrom)やディラーズ(Dillard's)にも採用された。「自然はアーティストにとって、本当に素晴らしいインスピレーションの源だ。そこには常に新しい発見があり、新しい物語がある」と彼女は語る。「一つひとつの品に込められた、丁寧に作られた手仕事の要素は、私にとって非常に重要だ。チームと何時間もかけて糸を選び、刺繍の中にディテールや色、物語がきちんと表れるようにしている」。現在も彼女は、ブランドの代名詞となった美しい刺繍作品になる前に、すべてのデザインを手描きしている。
正しいことを、正しいやり方で行う
「人々を野生動物や自然界と結びつけることは、初日からエリザベス・スカーレットの中心にあった」と彼女は言う。「2017年から2020年にかけて、私たちはさまざまな慈善団体のパートナーと保全コレクションを制作した。その成功が、寄付を事業そのものに組み込む自信を与えてくれた」。シェルドリック・ワイルドライフ・トラストとの関係は、2020年の「Pouch for Purpose」ラインから始まった。1点販売されるごとに、ナイロビの育児施設で保護された孤児のゾウのための特別なミルクを提供した。そこでは飼育員が昼夜を問わず3時間おきに子ゾウに手でミルクを与えている。
「最大の課題であり、いまも最も大きな仕事であるのは、適切なパートナーを選ぶことだ」と彼女は語る。「私たちはすべての組織を、真正性、インパクト、行動という3つの観点から精査する。真正性とは、その背後にいる人々がその目的に根ざしているということだ」。彼女は、この取り組みにおけるパートナーたちの明らかな献身について話を続けた。「シェルドリック・ワイルドライフ・トラストは、1977年以来、ある一族のライフワークだ。SUJÁNの創業者たちは、ラジャスタンの野生の地で5世代を過ごしてきた」と彼女は言う。「ブルー・マリン財団は、世界的な乱獲危機を暴いたジャーナリストと映画制作者たちによって始められた」
彼女はインパクトを、気の利いたソーシャルメディア用の画像やバイラルな瞬間ではなく、現実の、測定可能で長期的な成果によって測る。「私たちは特にキーストーン種、つまりその存在が生態系全体のバランスを支える生き物に重点を置いている」と彼女は語り、適切なパートナーがいれば集めた資金が大きな効果を生むと指摘した。また、この分野で活動する尊敬する他ブランドにも言及した。「パタゴニア(Patagonia)はゴールドスタンダードだ。同社が作るものはすべて、人々に屋外へ出て自然との個人的なつながりを築くことを促している。彼らが成し遂げたことの半分でもできれば、私たちの仕事は大成功だと考える」と彼女は語る。「また、美しい製品と地球への真摯なコミットメントが両立することを示してきたシャンテカイユ(Chantecaille)も本当に尊敬している」
スカーレットは、顧客が野生動物保全へのその情熱を受け入れてくれるのを見ることは、自分たちの取り組みを肯定してくれるものだったと語る。彼女と話していると、これが単なる副次的なプロジェクトや趣味ではなく、彼女自身と彼女が築いてきたブランドの根幹をなすものだということがはっきりわかる。「それは私たちの核心にある、私たちそのものの一部だ」と彼女は言う。
では、ブランドの次の展開は何か。集めるべき資金は常にさらにあり、救うべき野生動物もさらにいる。同ブランドの2%寄付という基準は、常に上限ではなく下限だったと彼女は語る。「いま私たちは2030年までに200万ポンドを目指している。この節目は、祝うべきものを与えてくれると同時に、責任と野心を新たにするものでもある」と彼女は言う。「次の100万ポンドに向けて、そして野生動物が繁栄する未来を築き続けることに乾杯したい」。そしてそれは、彼女がエリザベス・スカーレットでこれからも大切にし続けたい理念である。「だからこそ、還元することは常に私たちの一部であり続ける」と彼女は言う。「私たちの住まいは1つしかない。野生動物を守ることは、私たち全員を守ることなのだ」



