経営・戦略

2026.11.04 08:27

「やることを減らす」経営術、売上を落とさず働き方を変える方法

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小規模事業の経営者であれば、成功するにはがむしゃらに働くしかない、と学んできた人も多いだろう。常に仕事をしていること。個人起業家(ソロプレナー)であれば、そのプレッシャーはさらに大きくなることが多い。がむしゃらに、常に働かなければならないだけでなく、制作、マーケティング、販売しているものの提供まで、すべてを自分1人でこなさなければならないからだ。事業でやることを減らすという選択肢は、存在しないように思える。

保険会社Markelの調査によると、英国では自営業者の10人に4人が、事業運営中にバーンアウトを経験したと答えており、半数以上が通常の労働時間を超えて働くことが常態化している。現代の起業家に求められるものの多さを考えれば、それも無理はない。

だが、事業でやることを減らす余裕は本当にないのだろうか。そして、どう実行すればよいのか。

意外に思えるかもしれないが、働く時間を減らすことは、実は会社にとってプラスになり得る。2022年に英国で行われた実証実験では、企業が週4日勤務を導入しても、売上はおおむね同水準を維持した。さらに、スタンフォード大学の経済学者ジョン・ペンケイベルが分析した過去のデータは、週50時間前後を超えると生産量が急激に低下することを示している。また、選択肢を増やせば売上が増えると思いがちだが、選択肢が多いほど、見込み客や顧客にとって購入の判断は難しくなりやすい。

事業でやることを減らし始める準備ができているなら、まずは自分の提供内容を丁寧に見直すのがよい出発点だ。これは、必要なマーケティングにも直接影響する。

提供内容を絞り込む

先日、ある小規模事業の経営者と一緒に、その人の提供内容を見直した。私たちはページを次々とスクロールした。私はその人に代わって圧倒されるような気持ちになった。そこには、あまりにも多くのものがあった。

これはよくある状況だ。1つ、あるいはいくつかの商品やサービスで事業を始め、その後、追加に追加を重ね、気づけば提供内容が一式そろっている。こうしたすべてを維持し続けることは、事業に相当な負荷を加える。マーケティングであれ、多種多様な商品を制作することであれ、それらすべてを提供できる状態にしておく必要があるからだ。

意外に思えるかもしれないが、提供するものを増やすことが、かえって売上減につながることもある。誰かがあなたのウェブサイトを訪れ、1対1で一緒に仕事をする方法が5種類、あるいは選べる講座が6種類あるのを見たら、自分に必要なのはどれなのかと迷う可能性は十分にある。そして、その人が迷い、考えている間に、あなたはその人を失っている。後であなたのサイトに戻るつもりでタブを閉じる(そして、おそらく戻ってこない)。あなたにとって、多くの商品やサービスを持つことは、それらすべてをマーケティングすることを意味する。販売コピーを書き、投稿を作り、メールを書き、Pinterestのピンを投稿する。さらに、オーディエンスから寄せられるそれらに関する質問に答えることも含まれる。

自分の事業が提供内容の肥大化に苦しんでいるかもしれないと感じるなら、自分が何を売っているのかをじっくり見てみよう。

  • それぞれのサービスや商品は何をするものか。成果物は何か。
  • それぞれのサービスや商品は、ほかとどう違うのか。提供している追加オプションのうち、実際には複雑さを増す以外に大きな役割を果たしていないものはどれか。
  • 見込み客や顧客にとって、どのタイミングでどの選択肢が適切なのか。ここでは自分用にフローチャートを描いてもよい(ウェブサイトで共有してもよい)。覚えておきたいのは、相手がその提供内容が何であり、なぜ自分に合っているのかをすぐに理解できなければ、単に離脱してしまうということだ。
  • それぞれの提供内容は、時間とエネルギーの面でどれだけのコストがかかり、そこから何を得ているのか。特に金銭面ではどうか。

これらの問いへの答えを踏まえると、選択肢は4つある。

  • その提供内容を終了する。
  • その提供内容を一時停止する。これは、何が起こるかを見る実験にもなるし、終了するという考えに自分を慣れさせる方法にもなる。
  • 別の提供内容に組み込む。
  • その提供内容の価格を引き上げ、自分の時間により見合うものにする。

私の場合、これは1年のうちに自分の1対1サービスを2度変更することを意味した。仕事時間により柔軟性を持たせようとして、3カ月パッケージから通話をなくし、より多くの非同期型サポートに置き換えた。この形が合うクライアントもいたが、しばらくして、このアプローチの利点を説明するのがますます難しく感じられることに気づいた。さらに、通話でクライアントとつながることも恋しくなった。最初に提供内容を変更してからほぼ1年後、私は元に戻した。

時間の使い方を見直す

事業でやることを減らすということは、自分が時間をどう使っているかを丁寧に見直すことでもある。過去数週間のカレンダーを詳しく見てみよう。実際に役立った予定や会議はどれか。事業を前進させたものはどれか。こうした活動の成功を測る際は、売上、インプレッション、得られた人脈だけでなく、自分のエネルギーの面からも評価する。このネットワーキングイベントに参加すると、その日の残りの時間はほとんど働けないほど疲れ切ってしまうのか。ならば削るべきだ。このマーケティングチャネルは明確な成果にはつながっていないかもしれないが、自分の創造性を強く刺激し、事業とのつながりを感じさせてくれるのか。ならば続けるべきだ。

マーケティングもまた、時間を吸い取る要因になり得る。私が話を聞く多くの小規模事業の経営者は、あらゆるチャネルで忙しすぎて、実際に自分の事業の中で働く時間がほとんどないほどだ。私たちは「でも、これはそれほど時間がかからない」とすぐに考えがちだ。たいていの場合、それは事実ではない。仮にInstagramの投稿を作成して投稿するのに10分しかかからないとしても、いったんプラットフォームに入れば、少しスクロールし、ネットワーク内のほかの人の近況を追い、自分の投稿の「いいね」やコメントを確認するために、その場にとどまりやすい。10分はすぐに30分以上になる。多数の異なるチャネルを把握し続けることは、精神的な負荷にもなる。なぜなら、その一つひとつについて、常にチェックリストをこなしている状態になるからだ。

自分に問いかけてみよう。

  • これらのチャネルのうち、自分が本当に楽しめているものはどれか。
  • 自分の(潜在)クライアントや顧客とのつながりを感じられる場所はどこか。
  • 自分の強みを生かせる場所、無理なくできると感じられる場所はどこか。
  • 最も多くのコンバージョンが見られる場所はどこか。

2022年に自分自身のマーケティングを絞り込んだ際、多くのチャネルをこなそうと焦るよりも、少数のチャネル(私の場合はソーシャルメディアではなくニュースレター)に絞る方がはるかに効果的であることを、私はすぐに学んだ。

時間の使い方を見直したら、次のステップは、その時間をどう使うかについて意図的になること、そしてその周囲に境界線を引くことだ。

やることを減らすことで、何を取り戻せるのか

事業でやることを減らす余裕が自分にあるのか、まだ迷っているなら、現在の働き方が自分に何を負担させているのかを考えてみるとよい。そのコストは時間だけではない。ほとんど売れない提供内容についての質問に答えて過ごす夜であり、ひそかに信じられなくなっていた商品のマーケティングに費やして失われる週末である。

小さく始めよう。1つの提供内容、1つのチャネルからでいい。それぞれをどうするか決め、そのうえで、自分がつくった余白に何が入ってくるのかに気づいてみる。そしておそらく、その余白を埋めるために仕事を増やすのではなく、趣味や大切な人とのつながりを取り戻すのだ。

(forbes.com 原文)

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