ついに面談の約束を取りつけた。キャリアを尊敬するシニアディレクターとの30分間だ。彼女は予想以上に温かく接してくれた。自身のキャリアを変えた仕事を断りかけた話まで明かしてくれた。終わり際、彼女は「何か力になれることがあれば言ってね」と言ってくれた。
面談後は、とてもいい気分だった。だがその日の夜になると、自信が揺らいできた。彼女は本当に自分に関心を持ってくれたのか、それとも単に親切だっただけなのか。話しすぎてしまったのではないか。メールを開き、「本日はお時間をいただき、本当にありがとうございました」と打ち込んだものの、手を止めた。もっと良い文面を思いついてから、明日にでも送ろうと考えたのだ。
それが3週間前のことだ。今では連絡が遅れたこと自体が気まずくて、さらに先延ばしする理由になっている。
ネットワーキングに関するアドバイスの多くは、会話の準備に焦点を当てている。しかし、会話自体はうまくいったにもかかわらず、その後の連絡をためらってしまうことがある。関係を育む機会さえ持てないまま、せっかくのつながりに疑問を抱き始めてしまうのだ。
あなたは自分が思っている以上に好印象を与えている
ある一連の研究では、初対面の相手と会話した人たちに、相手が自分をどれほど好ましく思い、一緒にいる時間を楽しんだと考えるかを推定してもらった。その結果、人々は一貫してその両方を低く見積もっていた。この「好意のギャップ」は、長さの異なる会話の後にも見られ、大学のルームメイト同士では数カ月にわたって続いた。
一因として、人間は自分が失敗したと感じた部分に過剰に気を取られてしまうことが挙げられる。話がまとまらなかった回答や、別の聞き方をすればよかったという質問ばかりが記憶に残るのだ。しかし、相手ははるかに好意的な印象を抱いて会話を終えている可能性がある。
もちろん、会話が弾んだからといって、相手が継続的な関係を望んでいるとは限らない。しかし、短いお礼のメールを送る前に、その答えを出す必要はない。ここでは、フォローアップをよりスムーズにするための5つの方法を紹介する。
1. 短く具体的なお礼を送る
会話の記憶が鮮明で、先延ばしにし始める前の「翌日」に書くようにしよう。数行で十分だ。会話の中で役立ったことと、なぜそれに感謝しているのかを具体的に伝える。
例えば、「昨日はお時間をいただき、改めてありがとうございました。『誰も引き受けたがらなかった仕事を引き受けた』というお話は、オペレーション部門の役割について見直すきっかけになりました。どのような経緯でその決断をされたのかをお聞きでき、非常に勉強になりました」。
また、感謝を伝えることがどれほど気まずく思われるかを過大評価している可能性もある。感謝の手紙に関する研究によると、送り手は受け手がどれほど好意的に反応するかを過小評価し、気まずさを過大評価する傾向があった。これはネットワーキングメールについての研究ではないが、感謝を伝えることへのためらいを見直す有用なヒントとなる。
2. 相手からのオファーを実行に移す
「何か力になれることがあれば言ってね」と言われても、どこまで頼んでいいのか迷ってしまう。そんなときは、相手が実際に提案してくれたことから始めよう。
もし「履歴書を送ってくれれば転送する」と言われたなら、お礼メールに履歴書を添付する。同僚を紹介すると言われたなら、その話に触れ、相手がそのまま転送できるような紹介文を1〜2文添えるとよい。
漠然としたオファーの場合は、より慎重な判断が必要だ。お願いをする場合は、焦点を絞り、負担にならない程度にとどめよう。「チームがオペレーション部門と密接に連携しているとおっしゃっていましたが、その役割について詳しく知るために、話を聞くべきおすすめの方はいますか?」といった具合だ。
何も頼まずにお礼だけを送ることもできる。相手が力になると言ってくれたからといって、無理に依頼を作る必要はない。
3. その後の経過を報告する
相手のアドバイスに基づいて行動したときは、結果を報告しよう。会話自体は覚えていても、あなたがどんな決断をしたのか、自分の助言が役に立ったのかまでは分からないからだ。
例えば、「いただいたアドバイスに従い、上司にオペレーションプロジェクトについて相談しました。来月から参加することになりました。あのとき話したおかげで、相談する心構えができました。お礼を言いたくてご連絡しました」。
これにより、自然な形で再び連絡を取ることができる。また、相手のアドバイスがどのように役立ったかを具体的に説明できるため、感謝の気持ちもより意義深いものになる。
たとえアドバイス通りの結果にならなかったとしても、進捗を報告することは可能だ。「採用担当者に相談したところ、そのポジションには想定以上の技術的経験が必要だと分かりました。ですが、相談して本当に良かったです。次に学ぶべき課題が明確になりました」。
4. 相手を思い出すきっかけがあったときに連絡する
すべての人脈に対して、定期的な連絡スケジュールを組む必要はない。相手について知っている情報から生まれる「連絡する理由」を探そう。
例えば、相手が採用の課題について話していたときに役立つ記事を見つけたり、相手のチームが話題に挙げていた新製品をローンチしたりした場合だ。短いメッセージを送ることで、相手にとって大切な出来事に心を配っていることを示せる。
例えば、「貴チームが新しいサービスをローンチされたのを拝見しました。おめでとうございます! 以前お話しした際、どれほど力を入れていらっしゃるか伺っていたので、無事にスタートを切られたことを願っております」。
何かをお願いする合間に、こうした関連性のある短い連絡を挟むことで、関係を維持できる。記事を共有する場合は、なぜその人を思い浮かべたのかを添えると、相手も自分に役立つ情報かどうかをすぐに判断できる。
5. 時間が経ちすぎていてもフォローアップする
未送信のメールを頭に浮かべながらこの記事を読んでいるなら、「翌日中に書く」というアドバイスは役立たないと感じるかもしれない。すでにそのタイミングを逃してしまっているからだ。
それでもメールを送ろう。遅れたことを簡潔に認めたうえで、会話の内容に戻ればいい。
例えば、「もっと早くご連絡差し上げるべきでしたが、先日の会話へのお礼を伝えさせてください。オペレーション部門の役割に関するアドバイスがずっと心に残っており、その後、採用担当者と話をして応募することを決めました」。
連絡が遅れた理由を長々と説明する必要はない。長文の言い訳よりも、具体性のある感謝の言葉のほうが、受け手としても返信しやすい。
連絡しようと思いながら放置している人がいるなら、会話の中で感謝したことを一つ思い出してみよう。そこから始めればいい。送信ボタンを押す瞬間は、まだ少し気恥ずかしさが残るかもしれない。だがその気持ちが消える前に、感謝を伝えることはできる。



