リーダーシップ会議で「あの社員はどうも分かっていない」という声が上がる場面は、よくある光景だ。
締め切りに遅れる。書類に不備がある。顧客から不満が出る。やがて「成果が上がらない」「態度が悪い」「採用ミスだった」といったレッテルが貼られることになる。
だが、その結論に至る前に、リーダー層はより本質的な問いを投げかけるべきだ。「組織は本当に、その人物が成功するための公正で合理的な機会を提供していたのだろうか?」と。
法学の訓練は、判決を下す前に思い込みを疑い、証拠を精査することを私に教えてくれた。そして博士課程での研究がその習慣を確固たるものにした。しかし、組織を率いる中で学んだのは、教室では教わらない事実だった。失敗の背景にある「システム」を検証するよりも、一人の社員を評価・批判する方がはるかに容易だということだ。
パフォーマンスが低下したときに投げかけるべき5つの問い
こうした検証は、低いパフォーマンスを正当化するためのものではない。リーダー層が「何を変える必要があるのか」、そして「誰がその変更に責任を負うのか」を特定するのに役立つものだ。パフォーマンスの低下が見られたとき、私は以下の5つの問いを投げかける。
1. 基準は本当に明確だったか?
リーダー層が一度も明確に伝えていない期待事項に対して、誰かに公正な責任を問うことはできない。
マネージャーは口頭で指示を出し、優先順位は変わる。ある上司は公式な手順を教え、別の管理者はショートカット(省略法)を教える。数カ月後、パフォーマンスにばらつきがあることにリーダー層は驚くのだ。
例えば「迅速にフォローアップすること」という指示を考えてみてほしい。これは1時間以内を意味するのか、それとも金曜日まででいいのか? 留守番電話を残せば十分なのか、対話が完了することまで期待されているのか? マネージャーにとっては明確に見える指示でも、社員側は推測に頼らざるを得ないことがある。
「分かっていたはずだ」と言う前に、マネージャーと社員の双方に、業務指示内容をそれぞれ別々に説明させてみるとよい。締め切り、必要な手順、そして何をもって「許容できる結果」とするかについての認識を比較するのだ。
両者の回答が異なる場合は、社員が基準を無視したと結論付ける前に、まずその認識のギャップを解消すべきである。
2. 適切な研修が行われたか、それとも単に現場を見せただけか?
人を採用したからといって、組織のノウハウが自動的にその人の頭に転送されるわけではない。マニュアルの配布、ログイン権限の付与、同僚の横で数日間業務を見学させることなどは、役割の紹介にはなっても、それだけで能力が定着するわけではない。
ある社員は正しいプロセスを学び、別の社員は不完全な回避策を覚え、さらに別の社員は急ぎ足の説明しか受けていないかもしれない。その結果生じる不整合に対して、組織自らが助長しておきながら処罰を与えることになりかねない。
「もう分かっているはずだ」というのは、育成システムとは言えない。
代表的な業務を実際に実演させ、その判断根拠を説明するよう社員に求めてみるといい。規制が伴う業務であれば、必要なドキュメントの作成も含めるべきだ。トレーニングのチェックリストが完了しているからといって、自立して業務を遂行できるかどうかの確認を終えてはならない。
3. システムは成功を合理的に可能なものにしていたか?
時に、社員は指示を理解していても、職場環境や業務条件がそれを阻害している場合がある。
業務量は現実的だったか? システムは正常に機能していたか? 責任に見合う権限が与えられていたか? 2人のマネージャーから矛盾する指示を受けていなかったか?
自身では取得できない承認を待っている社員が抱える問題は、単に仕事を放置している社員の問題とは根本的に異なる。
私が運営する行動医療組織のオペレーションを見直す際、明確な担当者が割り当てられていない未解決の是正タスクを目にすることがある。作業自体は見えているものの、次のステップに対する責任が曖昧なのだ。これを「社員のやり抜き不足」として処理する前に、リーダー層はそのタスクの所有者と期限を明確に定義しなければならない。
複数の社員が同じタスクで苦戦している場合は、個々の能力を結論付ける前に、共通する障害を調査すべきだ。繰り返される問題には調査の価値がある。原因はプロセスと個人のパフォーマンスの両方にあるかもしれない。
4. 軌道修正できるよう、早期にフィードバックを与えていたか?
マネージャーが問題に気づきながらも何も言わず、社員の知らないところで不満が蓄積していくことがある。そして是正措置が始まる段になって、急に管理側が日付や事例、規程、締め切りなどを綿密に提示し始めるのだ。
陰で締め切り遅れを3回記録することと、3回のコーチング対話を行うことは同義ではない。問題の記録が存在することと、フィードバックが適切に伝わっていたことは別である。
改善可能なパフォーマンスのギャップに対しては、それを活用できる機会が残っているうちにフィードバックを与えるべきだ。記録とは継続的な対話を残すためのものであり、行われなかった対話の代用品であってはならない。
5. 明確な指示とサポートを受けた後、社員はどう行動したか?
基準が明確で、研修も十分、リソースも整い、フィードバックもタイムリーに行われたケースもあるだろう。社員が何を変えるべきかを理解していたにもかかわらず、改善が見られない場合だ。
この問題をかばい続けると、他の誰かがその負担を背負うことになる。仕事をやり直す同僚、穴埋めをするマネージャー、あるいは不整合なサービスを受ける顧客だ。
リーダー層が難しい決断を避けているために、信頼できる優秀な社員が永久に「2つ目の仕事」を背負わされるようなことがあってはならない。
強固な組織文化を持つ企業は、「共感」と「免責」を混同しない。構造、研修、監督の失敗はリーダー層が責任を負うべきだ。そして合理的な期待、サポート、改善の機会が与えられた後は、社員自身が自らのパフォーマンスに責任を持たなければならない。
おわりに:結論は最後まで取っておく
これらの問いは、改善可能なパフォーマンスのギャップに対処するためのものだ。社員や顧客を守るために必要な措置を遅らせるための口実にしてはならない。
次回の評価会議では、各問いに対する答えの根拠となる証拠を記録してほしい。組織側に不足があった場合は、ギャップを是正する責任者を明確にし、見直しの日時を設定する。期待値とサポートが十分であったにもかかわらず成果が不十分なままの場合は、毅然とした対応をとるべきだ。
見直しは「終わりなき議論」ではなく、「明確な決定」を生み出すものでなければならない。
公正であるということは、低いパフォーマンスに対する結果責任が、「適切な人物」に「正しい問題」に対して課されるようにすることなのだ。



