米国時間11月2日、アップルのジョン・ターナスCEOは決算説明会のなかで、同社がメモリ価格の「前例のない」高騰に直面していることを明らかにした。AI企業からの需要急増によるメモリ不足が続くなか、今四半期から次四半期にかけて価格はさらに上昇するとの見通しを示している。
長引くメモリ不足によってデジタル機器全体の価格が押し上げられるなか、ターナスは今四半期もメモリ価格の上昇が続くと予想していると説明したうえで、「現在のメモリ価格は前例のない水準に達しており、製品価格に対する上昇圧力となっている」と述べた。
アップルのケバン・パレクCFOは、メモリ以外の部品コストを抑えることで価格高騰への対応を図っていると説明した。しかしその一方で、過去1年間にわたりiPadやMac、iPhoneの各製品群で「不本意ながら」値上げに踏み切らざるを得なかったと述べている。
またパレクは、今四半期の売上総利益率が45〜46%にとどまるとの見通しを示した。これは市場予想を下回る水準であり、メモリ価格の高騰に加え、新しいAI機能を搭載したSiriの展開に伴うコストなどが主な要因だという。
さらにターナスは、今後は手元在庫によるコスト抑制効果が薄れていくため、メモリ価格の上昇は「10〜12月期以降も」続くとみていることを明らかにした。
ターナスによると、アップルの購入契約上の支払義務も6月時点から前四半期にかけて330億ドル(約5兆2400億円)に増加したという。
これを受けて翌3日の取引開始後にアップルの株価は下落し、米東部標準時午前9時50分時点では約1.5%安となった。
決算説明会でアナリストからメモリ価格の高騰について問われたパレクは、「4〜6月期から7〜9月期にかけての利益率の推移をみると、両四半期から関税の影響を除いた場合、前期比で約1ポイントの変動があった。これはすべてメモリの影響によるものだ」と答えた。手元在庫の活用や価格改定によって一部は相殺できたものの、当面はメモリ価格がアップルにとって「課題」であり続けるという。そのうえで、「予想の中央値でみれば、10〜12月期に見込んでいる前期比での利益率低下の大部分は、メモリコストの上昇によるものになるとみている」と付け加えた。
また、サビ・カーンCOOは、直近の四半期にiPhone、Mac、iPadで供給制約が生じたことを明らかにし、その理由として「高水準の需要」と「サプライチェーンの柔軟性が通常より低下していること」を挙げた。さらにカーンは、年末商戦に向けても一部製品で供給制約が続くと予想しており、「10〜12月期は需要が想定を上回っていることもあり、主にメモリ不足が原因でMacとiPadの供給に制約が生じるとみている」と語った。
現在、時価総額で世界2位をつけるアップルは2日に決算を発表し、四半期売上高は市場予想を上回る1145億ドル(約18兆2000億円)を記録した。値上げされたiPhoneの販売も好調で、新型「iPhone 18」の発売初週を含む同四半期のiPhone売上高は約576億ドル(約9兆1400億円)に達した。



