米中間選挙で共和党が大敗を喫した場合、ドナルド・トランプ大統領と米政府が開票結果に異議を唱えて法的手段に訴える可能性が取りざたされている。しかし、法律の専門家たちはフォーブスの取材に対し、大統領が選挙結果を覆すために取れる有効な法的手段は存在しないと説明した。ただ、それでもトランプは試みる可能性が高いという。
トランプはかねて根拠のない広範な選挙不正への懸念を煽ってきた。すでにトランプ政権は、郵便投票を厳格化する大統領令への署名、各州に有権者名簿の提出を迫る要求、さらにはアラスカ州で共和党候補が敗れた場合に選挙結果の認定阻止を求める訴訟の提起など、中間選挙に連邦政府を介入させる措置を講じている。
こうした動きを受け、民主党関係者や選挙に詳しい専門家らの間では、共和党が連邦上下院で過半数割れとなった場合、トランプが選挙結果に異議を唱えるのではないかとの懸念が高まっている。トランプは2020年の大統領選敗北後にも同様の試みを行い、失敗している。
一部のトランプ支持者は、大統領権限を行使して国家非常事態を宣言し、投票機を押収するなど、連邦政府を選挙プロセスに介入させることが可能だと示唆しているが、法律の専門家によれば、米大統領にそのような措置を取る法的権限はない。
トランプは選挙に介入しようと「試みることは確かにできる」が、「実際にできることはほとんどない」と、非営利・超党派の法律専門家団体キャンペーン・リーガル・センター(CLC)で投票権擁護の責任者を務めるジョナサン・ディアスはフォーブスに語った。
また、アラスカ州での訴訟と同様に、トランプと司法省が選挙結果に異議を唱える訴訟を起こす可能性についても、成功の見込みは薄いと法律の専門家らはみている。「連邦政府には、誰が投票するのか、またその票がどのように集計されるかを決定する権限はないため、勝訴することはないだろう」とディアスは予測する。
トランプは、選挙後により間接的な形で介入する可能性もある。たとえば、大統領が不正選挙を主張し、共和党候補者や有力な支持者らに個別の異議申し立てを行うよう促すなどだ。ただし、ウィスコンシン大学ロースクール(法科大学院)の「州民主主義研究イニシアチブ」法務ディレクターのダニエル・フリードマンは、過去に選挙結果への異議申し立てがあった際「裁判所や選挙管理体制はそれらを退けてきた」と指摘。今回も同様に、選挙結果への異議申し立ては失敗に終わるだろうとの見方を示した。
とはいえ法律の専門家たちは、たとえ結果を変えることに失敗したとしても、トランプやその盟友らによるあらゆる試みが、支持者の間に開票結果への疑念を植え付ける恐れがあると懸念している。



