インドの大富豪ムケシュ・アンバニが率いるいる財閥複合企業リライアンス・インダストリーズ傘下の「Jio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)」は、インド史上最大のIPOとなる初の株式売り出しで3020億ルピー(約5030億円)を調達して上場を果たした。同社の株価は、ムンバイのナショナル証券取引所での取引初日に21.5%超の急騰を記録してスタートした。
その後、ムンバイ市場でジオ株は最終的に27%超上昇し、同社の時価総額は13兆ルピー(約21兆7000億円)に達した。これによって同社は、親会社リライアンス・インダストリーズに次ぐ、インドで2番目に時価総額の大きい上場企業となった。
今回のIPOはインド史上空前の盛況となり、売り出し規模の20倍以上にあたる7兆5000億ルピー(約12兆5300億円)相当の需要を集め、売り出し初日の開始2時間で完売した。ジオ・プラットフォームズは初の株式売り出しにおいて、仮条件の上限となる1株1119ルピー(約1870円)で2億7000万株を売却した。アブダビ投資庁、ブラックロック、フィデリティなどの世界的な機関投資家に加え、約1300万人のインド国民が株式を購入した。
「心からの感謝を申し上げたい」と、ジオ・プラットフォームズのマネージング・ディレクターであり、総帥ムケシュの長男であるアカシュ・アンバニは上場式典のスピーチで語った。「インド国内外のすべての個人投資家と機関投資家に感謝する。反応は我々の想像を超え、あらゆる投資家カテゴリーで記録を打ち立てた」
ジオ・プラットフォームズは、5億3300万人超の加入者(6月時点)を抱えるインド最大の携帯通信事業者である。2026年3月31日に終了した会計年度の売上高は14.6%増の1兆5000億ルピー(約2兆5000億円)、純利益は15%増の3000億ルピー(約5010億円)だった。同社は2016年に、無料通話と安価なデータ通信を提供するサービスを開始し、通信業界に変革をもたらした。デジタル領域を拡大しており、今後7年間で新たなデータセンターやAI関連の取り組みに1100億ドル(約17兆3000億円)を投資する計画だ。
「ジオ・プラットフォームズは通信事業者から、収益化主導のデジタルプラットフォームへと進化した」と、ムンバイを拠点とする証券会社エララ・キャピタルのアナリスト、プラシャント・ビヤナはリポートに記した。「統合された技術スタックを背景に、ジオは長期的な収益の見通しを備えた、拡張性が高く差別化されたデジタルインフラ・エコシステムを構築している」。同証券会社は同社株のカバレッジを開始し、投資判断を「買い」とした。
アカシュは上場式典のスピーチで、ジオ・プラットフォームズを次の成長段階へ導くと誓った。今後10年間で同社は、人工知能やクラウドコンピューティングからコネクテッドデバイス、衛星通信に至る変革的なテクノロジーを、数百万人のインド国民が利用できるようにするとともに、まだ想像もつかないデジタルサービスの開発を目指す。「私たちの目標は、ジオ・プラットフォームズを中核に据えた、真のデジタル社会を実現することだ」と、アカシュは語った。
保有資産が推計807億ドル(約12兆7000億円)に上るムケシュ・アンバニは、アジア有数の大富豪として知られる。同氏はエネルギー、石油化学、通信、小売、メディア、金融サービスなどに事業を展開するリライアンス・インダストリーズの会長を務めている。



