2016年、私はダイビング事故で首の骨を折った。1年後には慢性ライム病と診断された。それから5年近く、私の神経系はサバイバルモードで生き、私はそれを治すためにテクノロジーが提供するあらゆるものを試した。アプリ、プログラム、プロトコル。祖父の主治医がキャリア全体で持っていた以上の健康情報が、私のポケットの中にあった。
しかし、どれも効果はなかった。私を救ってくれたのは「人間」だった。適切なタイミングで適切な問いを投げかけ、その答えに怯まないコーチだった。
私の人生を変えたテクノロジーは人間だったのだ。それに気づくまで、5年の探求を要した。
AIが現代の職場に何をもたらしているかという研究を読むたびに、私はあの時期のことを思い出す。今、職場では何か深刻なことが起きている。そして多くのリーダーはまだ、それをダッシュボードに載せていない。
AIは仕事をより効率的にしている。と同時に、より孤独なものにもしている。
職場での孤独
Workdayの「Human Connection Workplace Index」による最新の世界調査では、AIが多くの従業員のバーンアウトを和らげている一方で、Z世代の労働者の5人に1人が、AIツールを使い始めてから職場でより孤独を感じると報告している。Harvard Business Reviewに掲載された研究はさらに踏み込んでいる。参加者の4分の3が今やAIに個人的なサポートを求めていると認めたが、それによって職場での孤独感が実際に軽減したと答えたのはわずか12%だった。私たちは最も辛い瞬間を、それを抱えきれないソフトウェアに外注しているのだ。
この問題の影響は、社内チャットの雰囲気が悪くなる程度にとどまらない。公衆衛生局長官事務所が引用した研究によると、従業員の孤独感に起因するストレス関連の欠勤により、企業は年間推定1540億ドル(約24兆2000億円)のコストを被っている。孤独を感じている従業員は、離職する確率がおよそ2倍に跳ね上がる。さらに、ナレッジワーカーの5分の4近くが職場で孤立感を覚えていると報告している。これは離職率、病欠日数、プロジェクトの停滞という形で隠れている、重大な業績阻害要因なのだ。
人間による解決策
リーダーが職場の孤独感に気づいたとき、直感的に取る解決策は往々にして、問題を引き起こした原因と同じ過ちである。つまり、新たなプラットフォームの導入だ。瞑想アプリ、ウェルネスポータル、親しみやすい名前のチャットボットなどである。私たちは孤独な人々に人間以外のサポートをあてがい、なぜ何も変わらないのかと首をかしげる。単体のウェルネスアプリは、わずか1カ月で利用者の大半を失う。プッシュ通知によって「自分には居場所がある」と感じた人間など、かつて一人もいないからだ。
従業員(そして企業)が必要としているのは、意図的につくり出された「人とのつながり」である。
始めるべき4つのステップを挙げよう。
1. 自動化によって失われた瞬間を点検する
かつてのオンボーディングには、コーヒーの場所を教えてくれる担当者がいた。しかし今では、ログイン画面と研修動画のプレイリストに置き換わっている。評価面談、チームのちょっとした集まり、1日中ふと交わされていた何気ない会話も同様だ。かつてのそうした「割り込み」の一部こそが、カルチャーそのものだった。チームにどの人間的な瞬間が恋しいかを問いかけ、いくつかを現場に戻そう。
2. 意図的に「人と人」を結びつける
チームの誰かがバーンアウト、マネジメントの悩み、キャリアの転換、人生の困難な時期に直面しているとき、最も大きな効果をもたらす介入は、そうした状況に対処できるよう訓練された専門家との会話である。プロフェッショナルコーチング、メンター制度、ピアコホートは、「人々が実際に本音を打ち明けるか」という最も重要な指標において、あらゆるデジタル代替手段を凌駕する。人はソフトウェアに対してめったに心を開かない。
3. 「つながり」を成果物のようにカレンダーに組み込む
月1回の対面集会、少人数のコホート、基調講演ではなく会話を目的として設計された対面オフサイトなどだ。リモートワークやハイブリッドワークに関する調査は一貫して同じ結果を示しており、リモートワーカーほど深刻な孤独を感じている。偶発性に委ねられたつながりは生まれない。人間同士のつながりをインフラとして捉え、担当者と予算を割り当てている企業こそが、人材を引き留めることができるのだ。
4. 成果と同様に「つながり」を計測する
自社で導入しているあらゆるツールの利用率は把握しているはずだ。では、前四半期にウェルビーイング関連の福利厚生を実際に利用した従業員が何人いるか把握しているだろうか。正直な答えが一桁台なら、それは福利厚生として機能していない。単なる予算の費目と期待にすぎない。エンゲージメントは、定着率、パフォーマンス、自主的な努力など、経営陣が重視すると公言するあらゆる要素の先行指標だ。その計測を今すぐ始めるべきだ。
これはAIの活用速度を落とすべきだという意味ではない。有効な領域では大いに活用すればよい。定型業務、報告書作成、下書き作成などはAIに任せればいい。しかし、その引き換えに何を差し出しているかについて誠実であるべきだ。引き換えなしに得られるものはないからだ。プロセスを1つ自動化するたびに、組織カルチャーにとって極めて重要かもしれない人間的接触の瞬間が削ぎ落とされているのだ。



