経営・戦略

2026.10.31 10:06

「不可能」は、実は計画の問題かもしれない

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マウンテンバイクで初めて渡った橋から、私は落ちた。

それどころか、マウンテンバイクを始めた最初の1年間、渡った橋すべてから落ちた。

単に土の上に軽く転んだという話ではない。縁から水面へと真っ逆さまに落ち、サイクリングパンツからつま先までずぶ濡れのまま、残りのライドを終える羽目になった。

3年前、巨大な岩場、剥き出しの木の根、大きな段差、急な崖に覆われた標高1万2000フィートの山を登れと言われたら、「難しい偉業だ」と答えただろう。それをバイクでやれと言われたら、「不可能だ」と即答していたはずだ。

人生でもビジネスでも、何か大きなものを目の前にすると、私たちはまずそれに一つの言葉を当てはめる。対象が何であれ、脳は自動的に言葉を割り当て、同時にそれを達成できるかという理性的な判断も下してしまう。

これまで掲載されたことのない媒体に取り上げられること、会社を起こすこと、売上を100万ドル(約1億5700万円)から1000万ドル(約15億7000万円)へ伸ばすこと――。浮かぶ言葉はたいてい「難しい」、次に「困難」、そして正直に言えば「不可能」だ。これらの言葉は描写のように感じられるが、実際には決断なのだ。行動を一つも起こさないうちから天井を設定してしまう。しかも、それらは「現実」の装いをまとって現れるため、多くのリーダーはその言葉を疑うことすらしない。

「不可能」の正体

マウンテンバイクでのタイトなコーナリングは、平坦で乾いた地面でもテクニカルだ。しかしそれを上り坂で、木の根や浮石の上を、片側が切れ落ちた段差を越えながら、しかも20分前から言うことを聞かなくなった脚でやろうとすると、「テクニカル」はまったく別のものに変わる。それは「生存」になる。

自分の体力と技術、斜度、標高、失敗したときのコストを含め、すべての変数を一度に棚卸しすれば、答えはたいてい毎回同じになる――「やめておけ」と。

それが、間近で見た「不可能」の姿だ。真実を積み上げて足し合わせ、それを判決として読んでいるにすぎない。

それでも、毎日、人は山を自転車で越え、成功するビジネスを築いている。それをやってのける人たちは超人ではない。彼らは一つの不可能を、いくつかの小さく、退屈で、達成可能な行動に分解しただけだ。

不可能を、シンプルで退屈な行動に分解する

私にとって、最初の変化は視線だった。前輪のすぐ前の土を見つめていたのだが、これは確実に沢に落ちる方法である。解決策は、目を上げてもっと先を、カーブの先を、行きたい方向を見ることだった。それから肘を曲げ、手を広く安定した位置に置き、サドルの後ろで固まるのではなく、体重をバイクの中央に乗せ続ける。どれ一つとして英雄的なものはない。それぞれが小さく、具体的で、学習可能なことだ。重ね合わせれば、曲がれなかったコーナーが曲がれるコーナーに変わる。

視線のことは、バイクを降りてビジネスの世界に入っても私の中に残り続けている。何かが怖いとき、本能はそれをじっと見つめろと言う。恐れている数字、迫っている大型プロジェクト、狙っている昇進を見つめろと。しかし磨かれたスキルは、しばしば本能の逆である。どこかに行きたいなら、本当にたどり着きたい場所に目を上げる。バイクも自分も、見た方向に進む。

私は「不可能」と読み取れたコーナーを、物理的に(そして簡単に)実行できる4つのことに分解した――視線を上げ、肘を曲げ、手を広く開き、体重を中央に置く。これをほぼ何にでも適用すれば、不可能は可能になると私は信じている。不快は快適になる。目標そのものは変わらない。ただ、それを達成する能力が増すだけだ。

ビジネスへの応用

無意識のうちに「不可能」のフォルダに入れてしまっているものを、何でもいいから取り出してみてほしい。売上を100万ドル(約1億5700万円)から1000万ドル(約15億7000万円)へ伸ばすのはいい例だ。なぜなら、どの会社も午後の数時間でそれを達成することはできないからだ。ビジネスで不可能を達成する方法は、マウンテンバイクでコーナーを曲がるのと同じである――会社の形が変わるまで、今日の業務の進め方における個別で具体的なことを一つずつ変えていくのだ。

今あなたが下すすべての決断は、1000万ドル(約15億7000万円)に到達するために取るであろう行動と整合していなければならない。それらの行動は、200万ドル(約3億1500万円)や500万ドル(約7億8600万円)に到達するために取る行動とは、本質的に異なる。1000万ドル(約15億7000万円)への道はあまりに具体的で狭いため、ゴールに到達できるのはごく限られた特定の決断だけなのだ。

試してみる価値のある挑戦がある。30日間で、仕事の進め方について変えられる30のことを見つけ、一つずつ実践してみることだ。大きなものである必要はない。むしろ、比較的小さく感じられるべきだ。いくつか例を挙げる。

・入力が多く成果が少ないタスクを自動化または外注する。

・自社の製品やサービスのうち、価格が低すぎるものがないか評価し、それに応じて値上げする。

・チーム全体の稼働率を監査する。

・習慣で続けている最も利益率の低い商品を、思い切って削る。

・繰り返し発生する作業のテンプレートを作成し、数日かかるものを数時間で済ませる。

・投資対効果以上にエネルギーを消耗させるクライアントとの条件を再交渉する。

・一度も意思決定を変えたことのない定例会議を、一つ廃止する。

どれ一つとして、すぐに1000万ドル(約15億7000万円)に到達させるものはない。しかし1年にわたって積み重ねれば、会社の能力そのものを変えうる。要はそれだけのことだ。目的地が分かるくらい遠くを見据える。そして、焦点を次に自分が実際にできる小さなことへと戻す。

ゴールライン

今も時間が許すかぎり、私はライドを続けている。今年は橋から落ちてはいないが、認めたくないほどクラッシュしている。それでも、もう山を見て「不可能」と呼ぶことはない。次のコーナーを見て、そこを曲がるために必要なわずかな行動を自分は知っている、と思えるようになった。

あなたがビジネスで「不可能」と呼んできたものは、おそらく、まだ分解していない一つのコーナーにすぎない。言葉を変えれば、達成する能力も変わるかもしれない。

(forbes.com 原文)

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