世界最大の暗号資産取引所バイナンスが63億ドル(約9910億円)の大規模な攻撃を受けたことで、ビットコインやその他の暗号資産の価格は過去24時間で急落した(ただし、小規模な特定の暗号資産1銘柄は急騰を続けている)。
ビットコイン価格は一夜にして急落し、1ビットコインあたり7万6000ドルまで下げた。月初の約9万ドルから約15%超下落したことになる。
トレーダーたちが中国の大規模な景気刺激策(2兆4000億ドル=約377兆円規模)に伴う市場の変動に身構えるなか、イーロン・マスクがバイナンスの破綻リスクを煽ったことで不安が広がっており、同社創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)がマスクに「やめてくれ」と訴える事態となっている。
米司法省からバイナンスでの経営職就任を禁じられているものの主要株主にとどまるCZは、ユーザーの損失を補償すると約束した。しかし、これは2022年11月に経営破綻した暗号資産交換業者FTXの創業者で、実刑判決を受け服役中のサム・バンクマン=フリードが行った発言と状況が重ね合わされ、世界初のトリリオネアであるイーロン・マスクがX上で不安を煽る形となっている。
「損失はそれより少し膨らむかもしれないが、(バイナンスが)補償する」とCZはXに投稿した。被害額は現在、約63億ドルと試算されている。
バイナンスの共同CEOであるリチャード・テンは、セキュリティ侵害時に顧客を保護するために設けられた10億ドル(約1570億円)規模のビットコインなどで構成される顧客資産保護基金(SAFU)と社内資金によって損失を補填すると語った。
あるXユーザーは、SBFが11月7日に投稿した「全顧客の保有資産を補償する十分な資金がある」という声明のスクリーンショットを添付してCZに返信した。この主張は、同プラットフォームがわずか数日後に出金を停止し、破産申請に追い込まれたことで事実に反していたことが明らかになっている。
マスクはこれに顔をしかめる絵文字を添え、2億4100万人のXフォロワーに向けてこの投稿を拡散させた。
バイナンスはハッキング被害を受け、安全対策として出金を一時停止したと発表した。
「イーロン、君のことはとても尊敬しているが、煽るには最悪のタイミングだ。頼むからやめてくれ」とCZはマスクに返信し、バイナンスがマスクによる旧Twitter買収への5億ドル(約786億円)の出資に加え、SpaceX株も約10億ドル(約1570億円)相当保有していると付け加えた。
「(Twitter買収への5億ドルの投資による)我が社のSpaceX株式は10億ドル以上の価値がある。少しは支援する姿勢を見せてほしい。よろしく頼む!」
姉妹会社であるアラメダ・リサーチの財務基盤が完全にFTXの独自トークンFTTに依存していたというリークにより引き起こされたFTXの崩壊は、2022年11月にビットコイン価格と暗号資産市場全体を急落させた。ただし、この暴落は比較的短期間で収束した。
FxProのチーフ・マーケット・アナリストであるアレックス・クプツィケビッチは電子メールでのコメントで、「理論上、暗号資産セクターが直面するリスクの再評価により売りが殺到する可能性がある」と述べた。
「しかし、今回のバイナンスへのハッキング被害よりも規模が大きかった2022年末のFTXの崩壊でさえ打撃は一時的なものであり、その後数日で市場が安定したことを思い出してほしい」



