回転ずしチェーンで国内売上高首位のスシローが、米国市場へ再進出する見通しだ。2026年11月、ニューヨーク・マンハッタンのタイムズスクエア近くに、再進出後の1号店を開く予定だ。
米国での本格展開は、スシローにとって大きな試金石となる。手ごろな価格のすし、効率的な店舗運営、豊富なメニューを柱とする業態は、世界でも特に飲食店の経営コストが高い市場で、日本の成功を再現できるだろうか。
スシローの低価格を支える店舗網とデジタル注文
スシローを傘下に置き、運営するのは外食グループの株式会社FOOD & LIFE COMPANIESだ。スシローは国内の回転ずしチェーンで売上高首位に立つ。スシローの源流は1975年に大阪で開いたカウンター形式のすし店にさかのぼり、回転ずし事業としての創業は1984年となる。「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という理念の下、長年にわたって手ごろな価格のすしを提供してきた。
日本では、すしを1皿120円前後(約0.76ドル)から提供し、ラーメン、天ぷら、デザートも揃える。2026年6月時点の店舗数は国内668店。海外では中国、台湾、タイ、香港、シンガポールなど、アジア市場に304店を展開している。
タッチパネル注文で食品廃棄と接客の負担を減らす
回転ずし店では、レーンに載って運ばれてきたすしの皿から、客が好きなものを選んで取るのが伝統的な仕組みだ。皿には価格別の色や模様があり、食べた皿の数と種類で会計していた。近年はスシローなどの大手チェーンが方式を改め、客が卓上のタッチパネルで注文した商品を直接席へ届けている。鮮度を保ちやすく、売れ残りによる食品廃棄を減らせる。会計時に皿を数える必要もなくなった。
デジタル注文なら、従業員が注文を取るために各テーブルを回る負担を軽減できる。また、店舗網の規模を生かし、独立系の飲食店より有利な条件で食材を仕入れられる。客は数皿だけで手早く食事を済ませることも、さまざまな料理を試すこともできる。ニューヨークでは、高い店舗運営コストを賄いながら、デジタル注文や大量仕入れの利点を競争力のある価格に結びつけられるかが課題となる。



