グーグルは2026年10月28日、AIモデル「Gemini 4 Carbon」を発表した。最初の提供先は、開発者や一般消費者ではなく、審査を通過したサイバー防御の専門家の一部だ。先行モデル「Gemini 4 Argon」は9月30日に発表され、10月13日に開発者、企業、一部の一般利用者への提供が始まった。Carbonの発表は、Argonの一般提供開始から約2週間後だった。グーグルによると、Carbonは脆弱性の発見、脆弱性を悪用する攻撃コードの作成、コードの修正でArgonを上回る。Carbonの提供先をさらに広げる時期は明らかにしていない。
セキュリティー責任者にとって重要なのは、アンソロピックに続き、グーグルも自社で最も強力なサイバー分野のAIモデルを広く公開するのは危険すぎると判断したことだ。グーグルが誰に利用を認め、どんな条件を課すかは、企業のセキュリティーチームにも影響する。Carbonを利用できる組織の完全な一覧も、まだ公表されていない。
Carbonは脆弱性を発見し、攻撃コードの作成や欠陥修正まで担う
Carbonは長時間の作業を想定して設計されている。グーグルによると、社内チームではCarbonを数日間動かし、大規模なソースコードにある不具合の根本原因を突き止め、修正する作業に使っている。サイバー防御担当者は、長年使ってきたソースコードを調べさせ、積み残していた不具合の解消に取り組める。グーグルのコード安全対策用AIエージェント「CodeMender」を利用すれば、修正作業も自動化できる。
グーグルが公表したCarbonの性能評価では、脆弱性の発見を測る「SEC-bench Pro」で88.2%、脆弱性を悪用する能力を測る「ExploitGym」で54.8%を記録した。コードの修正能力を測る「CWE-bench」は71.0%だった。安全なコードの生成に成功する割合も、CarbonはArgonの2倍を超えたという。
Carbonは導入期間中にArgonと同じ料金、終了後は値上げ
トークンは、AIが文章などの入力と出力を処理する際の単位だ。Carbonの導入期間中の料金はArgonと同じで、入力100万トークン当たり2ドル(約315円)、出力100万トークン当たり10ドル(約1573円)となる。処理済みの入力を再利用するキャッシュ入力には、通常の入力料金から95%の割引が適用される。導入期間が終わると、Carbonの料金は入力100万トークン当たり4ドル(約629円)、出力100万トークン当たり20ドル(約3145円)に上がる。



