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2026.10.31 07:51

自社エンジニアこそ、最も要求の厳しいユーザーであるべきだ

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自社の最新製品のローンチを、私たちが最初から計画していたわけではない。それは社内ツールとして始まった。

私のチームは自分たちのワークフローを動かすためにそれを構築した。マーケットプレイスのレビューへの返信、実際にリリースするものに応じた受信トレイの仕分け、同僚にメッセージを送る感覚でのSlackからのタスク送信などだ。私たちは2カ月間、毎日それを使った。ローンチを決めたとき、新しく開発すべきものはほとんど残っていなかった。自分たち自身の利用実績がロードマップを描き出していたからだ。

多くの企業はドッグフーディング(自社製品の日常的利用)を品質保証戦略として扱っている。自社製品を社内で使用し、顧客に届く前にバグを発見するというものだ。それは確かに事実だが、実はそれがもたらす価値としては最も低い部類に入ることを私は発見した。

ドッグフーディングが実際にもたらすもの

ドッグフーディングが主にもたらす3つのメリットを私は見出した(重要度の低い順に挙げる)。

1. フィードバックループの短縮。顧客から報告されたバグは、再現して修正担当者に届くまで数日かかる。エンジニアが午前11時に自身のワークフローで直面したバグは、数分で対応できる。

2. 意見ではなく摩擦によるロードマップの再編成。多くの企業における機能の優先順位付けは、最も声の大きい顧客、最も大手のクライアント企業、そして社内で最も強い意見を持つ者の間の議論によって決まる。チームが日常的に製品を使っていれば、煩わしい部分は「煩わしいから」という理由で修正される。

3. 確信の醸成(私が長年軽視していたもの)。創業者が単に製品を説明しているのか、自分が日常的に使っているツールを語っているのかは、周囲に伝わるものだ。それは商談や採用の会話、製品についての執筆内容に表れる。マーケティング担当者が用意した言葉に頼るのをやめ、先週の火曜日に自分が実際に行ったことを語り始めるようになる。確信とは1つの流通チャネルであり、どれほど資金豊富な競合企業であっても金で買うことはできない。

AIの好機とその罠

AIツールを開発するソフトウェア企業は、異例の時代に生きている。コーディング助手はコーディング助手を使って書かれている。エージェントプラットフォームは、エージェントを運用すること自体が業務であるチームによって運用されている。

アンソロピック(Anthropic)のエンジニアは、Claude Codeが製品となる前に社内ツールとして構築した。理想的な顧客がソフトウェアエンジニアであり、社内がソフトウェアエンジニアで満たされている場合、ドッグフーディングのループはコストゼロで回る。

AI開発者ツールが外部からは不可能なレベルの速度で改善を繰り返せるのはそのためだ。フィードバックループに外部依存性が存在しないからである。

しかし、このループがどこでも容易に手に入るわけではない。CFO向けの財務ソフトウェアや看護師向けのスケジュール調整ソフトウェアを開発している場合、自社のエンジニアはユーザーではないため、強制的にその環境を作ることはできない。

機能しなくなるポイント

自分が自分自身の製品のユーザーであっても、ドッグフーディングは予測可能な形で失敗する。

・熟練ユーザーになってしまう。オンボーディング画面(初期設定ガイド)を二度と見なくなる。回避策を知っているため、回避策が必要な不便さに気づかなくなる。社内の誰も読まないため、ドキュメントの品質が低いまま放置される。

・サンプル数が「1」である。自社製品を自分たちが欲しいと思うことは、それが優れていることの証明にはなるが、市場が存在することの証明にはならない。Yコンビネーター(Y Combinator)のドクトリンは「人々が欲しがるものを作れ(make something people want)」だが、創業者の会話では「自分が欲しがるものを作れ」と短縮されがちだ。

・「形だけのドッグフーディング(ドッグフーディング・シアター)」。形の上では製品を使っているが、顧客が使っているものとは異なる。社内チームのリクエストはレート制限をバイパスする。エンジニアが発見したバグは、サービスの担当者に直接メッセージを送れるため、サポートキューをスキップして即座に対応される。この場合、自分たちの製品を使っているのではなく、自分たちだけがアクセスできる「より良い製品」を使っているに過ぎない。

ループを本物にするために

解決策の多くは、自分たちの特権を排除することだ。顧客と同じインスタンス、同じバージョン、同じ制限、同じリージョンで運用する。サービスの担当者に直接連絡するのではなく、公開されているサポートフローを通じて社内バグを報告する。

社内チームに与えるすべての例外措置は、自社製品の使用を事実上辞退しているようなものだ。そして例外措置は常に「正当な理由」で認められるため、誰もそれに気づかない。

より難しい問題は、自分が熟練ユーザーになってしまっていることだ。身についた回避策を忘れることはできない。できるのは、誰か他の人が回避策にぶつかるのを観察することだ。新入社員が初めてセットアップする様子を、黙って横で見守る。彼らがつまずく場所こそ顧客がつまずく場所であり、手を貸したくなる衝動をぐっと抑えなければならない。

次に、チームの中でそのツールを使っていない人に理由を尋ねる。必ず使っていない人がいるはずだ。エンジニアは明確な意見を持っており、どこに問題があるかを具体的に教えてくれる。それは、解約する前に顧客が教えてくれる情報よりもはるかに価値がある。

ドッグフーディングでは分からないこと

最高のソフトウェアは、今でもそれを必要としている人々によって作られる。それは今も変わっておらず、現在のAIツールの波がそれを明確に物語っている。

ドッグフーディングはコンパスであり、地図ではない。自分が本物の方向を向いているかどうかを教えてくれる。しかし、自分以外のすべてのユーザーに対して盲目になるリスクも孕んでいる。

一日中自社製品の中に閉じこもっていると、他社の製品を使う時間がなくなり、他社の進化から6カ月遅れていたことに後から気づくことになる。したがって、自社チームとはまったく異なる顧客との持続的な接点や、競合プロダクトの開発動向とドッグフーディングを組み合わせる必要がある。

そして、もし自分が作っている製品を使いたくないと感じたなら、それを言い訳で誤魔化してはならない。その事実と真摯に向き合うべきだ。

(forbes.com 原文)

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