成人男性が毎晩、アルコールを2ドリンク飲む生活を続けたら、どんなことが起きるか考えてみてほしい。毎晩2ドリンクの飲酒習慣が原因で死に至る確率は25人に1人、つまり4%だ。言い換えれば、「生きているあいだに交通事故で死亡するリスク」の4倍に相当する。(編注:1ドリンクは、米国では純アルコール分が約14g、日本では約10g。米国の2ドリンクはビール約700ml、ワイン約300ml。日本の2ドリンクはビール約500ml、ワイン約200ml)
この数値は、2026年6月に『Journal of Studies on Alcohol and Drugs』に掲載された、アルコール摂取量と健康に関する論文「Alcohol Intake and Health Study」で明らかにされた。
米国では現在、飲酒を控える人が増えているが、それでもなお過半数はアルコールを飲んでいる。調査会社Gallup(ギャラップ)が2026年7月に米国で実施した調査では、「アルコールを飲むことがある」と回答した人は54%だった。1939年の調査開始以来、最低となった2025年と同じ割合で、2023年の62%から減少している。過去最高を記録したのは1970年代後半で71%だった。
一方、「1日に1~2ドリンク程度の飲酒でも健康に害がある」と答えた人は51%にすぎない。以下では、飲酒に伴うリスクを数字で見ていこう。
1日の飲酒量が1ドリンクから2ドリンクに増えると、死亡リスクが急上昇
男性が週に6.5ドリンク、女性が週に7ドリンク以上のお酒を飲んだ場合の死亡リスクは、1000人に1人か2人(0.1%~0.2%)だ。しかし男女を問わず、飲酒量が週8.5ドリンクを超えると、死亡リスクは100人に1人強(1%)に上昇する。週14ドリンクなら、男女とも死亡リスクは4%。週21ドリンクになると、男性は6.9%、女性は8.2%になる。
つまり、男性が飲酒量を週7ドリンク(1日1ドリンク)から週14ドリンク(1日2ドリンク)に増やすだけで、推定死亡リスクは0.2%から一気に4%に上がる。およそ23倍だ。
この研究では、比較対象として「生まれてから一度もアルコールを摂取したことのない人」のデータを用い、メタ分析によってアルコール関連疾患ごとの相対リスクを割り出した。次にそのリスクを、米国2022年の死亡データと飲酒データに当てはめて各疾患の結果を合計し、週の飲酒量別生涯リスクを導き出した。アルコール関連疾患には、肝硬変や数種のがん、心血管疾患、傷害などが含まれている。
死亡リスクを、飲酒とその他の要因で比較
全米安全評議会(NSC)は、米国人の生涯死亡リスクを公表している。2024年のデータをもとに、飲酒の死亡リスクとその他の死亡リスクを比較したのが以下の内容だ。



