加熱式たばこは紙を燃やした煙を吸引しないぶん、健康への影響は少ないように思われているが、どうやらそうでもないようだ。
たばこの葉を燃やさずに加熱してニコチンを含むエアロゾルを発生させ、それを吸引するという加熱式たばこは、登場してからまだ日が浅く、血管系への長期的な影響についてはまだあまり調査されていない。日本は世界に先駆けて加熱式たばこが普及し、2026年4月に発表された研究論文によれば、日本の加熱式たばこの普及率は11.8%と世界でも群を抜いて高い。調査対象の35カ国中2桁は日本だけだ。
そこで近畿大学は、健康診断結果、診療報酬請求データ、生活習慣に関する質問票、健康支援アプリの利用情報を統合した日本の大規模データベースを用いて、2021年から2025年にかけて、調査開始時点で高血圧がない3万979人を対象に、喫煙と高血圧症の発症リスクとの関係を調査した。

すると、たばこを吸ったことがない人(非喫煙者)の高血圧の発症リスクは5.1%だったのに対して、紙巻きたばこの使用者は9.3%、加熱式たばこの使用者は8.2%であることがわかった。さらに統計学的な調整を行い、年齢や性別、通常時の血圧といった基本属性に加えて、生活習慣、健康状態などを加味した解析では、紙巻きたばこの使用者は非喫煙者の1.28倍、加熱式たばこの使用者は非喫煙者の1.23倍と、紙巻きたばこ使用者とそれほど変わらなかった。
これはあくまでも統計的な相関を示したもので、加熱式たばこが高血圧症を引き起こすといった因果関係を示すものではない。しかし、約3万人を対象にした調査ではっきりと相関が現れた意味は大きい。高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患につながる危険な状態だ。加熱式たばこでも使用自体にリスクがあるようだ。
出典:近畿大学 加熱式たばこ使用者は高血圧発症リスクが高いことを確認 約3万人のデータを分析し紙巻きたばこ使用者等のリスクとも比較



