嵐に遭遇すると、多くの動物は避難場所を探す。しかし、バイソンは独特だ。風に流されるのではなく、猛吹雪に向かって進むことが多い。バイソンがそうするのは、嵐の中へと進む方がより早く通り抜けられることを本能的に知っているからだと考えられている。時には、思い切った行動を起こす際、自分自身の嵐に巻き込まれたように感じることもあるだろう。強風が吹き荒れ、雪が舞い散り、一歩進むごとに足取りが重くなっていく。すぐに避難できる場所を探して逃げ込みたくなるかもしれないが、それでは変化のプロセスが長引き、不快な状態も長引くことになる。変化に対応するマインドセットがあれば、不確実性を脅威としてではなく、可能性に満ちた空間と捉え、自信を持って嵐を突き進むことができる。
人が変化に抵抗する理由
人が変化に抵抗することは周知の事実だ。その抵抗には多くの理由があり、さまざまな形で現れる。変化そのものの結果を恐れる人もいれば、プロセスに伴う不快感を恐れ、適応に必要なエネルギーを使うくらいなら現状維持を好む人もいる。また、変化が引き起こす葛藤――「本当にこれをやるのか?」という自問自答や、同僚や関係者との間に生じるであろう難しい話し合い――を恐れる人もいる。
恐れ、不安、不確実性、焦りといった感情は、行動しない、決断できない、先延ばしにする、避ける、分析麻痺に陥るといった形で表れる。形は違っても、いずれも前に進むことを妨げる。ヘッドライトに照らされ、迫り来る車を前に動けなくなった鹿のように、決めないことはそれ自体が一つの決断になる。選択を避けるとき、実際には状況や他人の意見に自分の代わりに決めさせることを選んでいるのだ。
変化に対応するマインドセットを構築する
大きな変化をうまく乗り越える人と、途中で立ち止まってしまう人の違いは、必ずしも自信やリソースの差ではない。違いを生むのはマインドセットだ。変化に対応するマインドセットを育てるとは、不確実性を可能性として捉えることを学ぶということだ。挫折を失敗ではなく軌道修正として捉え直し、変化に伴う不快感を、退くべきサインではなく、自分が成長している証拠として見るということである。私はよく、グラスは半分空でも半分満たされているのでもなく、注ぎ足せるものだと言う。いま液体がどの高さにあるかは問題ではない。いつでも足すことができるからだ。何がうまくいかないかという渦に巻き込まれるのではなく、何がうまくいくかに胸を躍らせるべきである。
変化のための仕組みでマインドセットを支える
適切なマインドセットがあっても、大胆な一歩を実行し、大きな変化を起こすプロセスは一直線には進まないことがある。前進し続けるのではなく、横にそれたり、後戻りしたりしたくなるかもしれない。だからこそ、仕組みを持つことが重要なのだ。
キャリアの初期、私は個人のカレンダーを独自のミニ変化管理システムとして活用していた。目標が何であれ、それを達成するために実行したことを、毎日少なくとも1つカレンダー上で消し込んでいった。それは継続的な学習かもしれないし、見込み客との面談、あるいは新しい業界団体への参加だったかもしれない。重要なのは、毎日あるいは毎週でも、前進し続けるための小さな一歩を1つから3つ実行することだった。
そのカレンダーが好きだったのは、進みが遅く感じられるときでも、何か具体的なことを成し遂げていると実感できたからだ。それは、未来を見据えることと現在を生きることのバランスを取る助けになった。目標が達成される「いつか」に向かって取り組みながらも、その日に成し遂げたことを祝っていたからである。
嵐を突き抜ける
母はいつも私に「人生においては、嵐に向かっているか、嵐の中にいるか、嵐から抜け出しつつあるかのいずれかだ」と言っていた。人生は絶えず変化しており、私たちも変化しなければならない。目的は、変化に関するあらゆる不確実性を排除することではない。変化に対応するマインドセットを持つことこそが、これから直面するあらゆる事態を乗り越えるための最も強力なツールであると認識することだ。バイソンのように頭を下げ、一歩ずつ前に進もう。



