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2026.10.30 13:15

ロシアとイランの混乱で注目集める「中央アジア産資源」、パイプライン建設は実現するか

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中央アジアは、ホルムズ海峡やロシアを回避する存在となることを目指している。

カザフスタン産の石油には国際市場へ出荷するための2つの経路があるが、現在はいずれも脅威にさらされている。同国産の石油の大半はロシアを経由して黒海沿岸のノボロシースク港へと輸送されるが、7月には同港で積み込みを行っていたタンカーが無人機(ドローン)攻撃を受け、出荷が数回にわたり停止する事態となった。ロシアはウクライナを非難し、タンカーに自国産の石油を積載していたカザフスタンは攻撃の停止を求めた。もう1つの輸出経路はイランとペルシャ湾を経由して南へと抜けるものだが、2月28日に米イスラエル両軍がイランを攻撃して以降、この「出口」は事実上閉ざされている。

状況はここ数週間で一層悪化している。アラブ首長国連邦(UAE)がホルムズ海峡付近で運航していた貨物船2隻に飛翔(ひしょう)体が直撃し、沈没したのだ。国際通貨基金(IMF)の海上貿易監視サイト「ポートウォッチ」によると、11日に同海峡を通過した船舶はわずか2隻だったが、イラン情勢が悪化する以前は1日当たり約85隻が航行していた。国際的な原油価格の指標である北海ブレント原油先物は、10月中旬時点で1バレル105ドル近辺で取引されていた。これはイラン紛争開始前の終値である72.48ドルを約45%上回る水準だ。

こうした圧力の高まりを受け、ある構想が再び浮上している。カスピ海の海底にパイプラインを敷設するという計画だ。この構想に関わるカザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンの3カ国は、ロシアやペルシャ湾を経由することなく、中央アジア産の石油や天然ガスを欧州へ輸送したいと考えている。この経路は距離が短く、必要な社会基盤の大部分はすでに整っている。不足しているのは資金と海底利用に関する合意だ。これは中央アジア諸国の西側への方向転換ではない。あくまでリスク回避策であり、これによって3カ国は交渉力を手にすることができる。

筆者はこれを「戦略的多元主義」と呼んでいる。つまり、複数の大国と同時に良好な関係を維持することで、単一の買い手や経由国が一方的に条件を押し付けることを防ぐ戦略だ。英調査会社ウッド・マッケンジーのサイモン・フラワーズ会長兼主席アナリストは、カスピ海を横断するパイプラインが「新たなシルクロード」になると述べた。

カスピ海横断パイプラインの地理的な状況

カスピ海周辺の地理的な位置関係を整理したい。カザフスタンは日量約220万バレルの原油と液体燃料を生産している。うち日量150万バレル以上が、ロシアが主導する「カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)」のパイプラインを通じて同国領内を通り、ノボロシースク港へと輸送されている。一方、カスピ海に面するカザフスタンの隣国には世界4位の天然ガス埋蔵量を誇るトルクメニスタンがあるが、その輸出先は中国1カ国に限られている。

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翻訳・編集=安藤清香

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