ニューヨークを拠点とするスタートアップEvosは、プレシード資金として900万ドル(約14億2000万円)を調達したと本日発表する。同社の年間経常収益(ARR)は、ローンチからわずか4週間で100万ドル(約1億5800万円)に到達した。中小規模の産業企業向けにエージェント型人工知能(AI)ソリューションを構築する同社は、開発者にしばしば見過ごされてきた分野のニーズに応える技術だとしている。
「このセグメントは、特に物流、製造、エネルギーをはじめとする産業分野で軽視されてきた」と、創業者兼CEOのウラブ・シャー氏(Urav Shah)は語る。「これらの企業は、スタッフが時間の大半をデータ入力などの作業に費やさざるを得ないレガシーシステムに縛られており、業務を前進させるソフトウェアを使えていない」
Evos(Evolutionary Operating Systemsの略)は、このギャップを埋められると考えている。同社が開発するのは「自律型オペレーター」、すなわち、現在こうした企業が手作業で行っているプロセスやワークフローの多くを引き受けるAIエージェントだ。これらのタスクは請求書管理から配車管理まで多岐にわたり、Evosは約400種類の個別業務や役割をカバーするエージェントを提供している。
同スタートアップのターゲット市場、すなわち従業員20〜200人規模の企業では、大規模なERP(統合基幹業務システム)を導入するだけの余裕はなく、これらのソリューションの導入・実装コストは往々にして数十万ドルに達する。代わりに、こうした企業はコンサルタントに高額な費用を支払い、ワークフローのマッピングと自動化に数カ月を費やしてもらうのが一般的だと、シャー氏は説明する。
Evosの売りは、実務を通じて学習する自律型オペレーターを導入することで、コンサルタントの仕事をはるかに迅速かつ安価に行える点にある。これらのエージェントは人間の従業員と並んで稼働し、手作業のプロセスを観察して業務を引き継いでいく。エージェントがタスクを習得した時点で、独力でその仕事を遂行できるようになる。
このアプローチは、プロセスがほとんど標準化されておらず、ノウハウが明文化されずに経験豊富な熟練者の頭の中に留まっているという、この規模の企業の現実を反映している。「こうした企業の多くで最も優秀な『システム』とは、勤続20年のベテランであり、その知識が文書化されたことは一度もない」とシャー氏は付け加える。「Evosのオペレーターは、そうした人々から業務を学び、それを改善し、同等の精度を発揮できることを証明した上で、単独で業務を引き受ける」
今年初めのローンチ以来、Evosは約20社の顧客を獲得しており、急成長によって半年以内にARRが1000万ドル(約15億8000万円)に到達すると見込んでいる。この市場をターゲットとするパランティア(Palantir)やDystylといったはるかに規模の大きいソフトウェア企業や、合計1億ドル(約158億円)超の資金を調達しているEdraおよびBackOpsなどの企業との厳しい競争が続くなかでの数字だ。物流特化型のライバルにはAugment、HappyRobot、Envoy AIもある。
しかしシャー氏は、展開と導入のスピードに注力することで競争上の優位性を確保できると主張する。ライバルの多くは、一つひとつ導入する必要があり企業に個別最適化されていない単一機能ソリューション(ポイントソリューション)を提供しているため、導入に長い時間を要する。「Evosのオペレーターは24時間以内に稼働する」とシャー氏は指摘する。
資金調達も同社の戦いを後押しする。本日のプレシードラウンドは、Uncork CapitalとField Venturesが共同リードを務め、Crosslink Capital、Utopia Capital Management、Sandwith Venturesに加え複数のエンジェル投資家が参加した。「この資金はチームの拡大に役立つ。特に、年末までに新バージョンのプラットフォームを発表する予定だ」とシャー氏は語る。「顧客と密接に連携するパートナーシップチームも拡充していく」
同社の投資家はその潜在力を信じている。Field Venturesのパートナーであるリチャード・カービー氏(Richard Kerby)は、「何十年もの間、産業企業向けに販売されてきたソフトウェアは、人々が業務を整理・追跡するのを支援してきたが、実際に業務を行うまでには至らなかった」と述べる。「Evosはそれを変える。同社の自律型オペレーターは、事業運営の背景にある判断力を学習し、既存のシステム内で機能し、業務機能全体の責任を担う」
Uncork Capitalのゼネラルパートナー、トリップ・ジョーンズ氏(Tripp Jones)はこう付け加える。「ほとんどのソフトウェアは産業企業が業務を把握するのを助けるだけだが、Evosは初めて、実際の業務完了を支援している」



