経営・戦略

2026.11.04 08:00

アンソロピックのIPO届出書、台湾TSMCへの依存と半導体の供給不足を警告

Justlight - stock.adobe.com

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米国時間2026年10月26日、最先端の人工知能(AI)を開発するアンソロピックの財務情報が、新規株式公開(IPO)に向けた届出書で初めて投資家に示された。同社の業績と巨額の設備利用契約は、AI市場の先行きを不安視していた投資家に驚きを与えた。

アンソロピックのIPO届出書が半導体株を押し上げ、TSMC依存を警告

届出書の公表を受けてテクノロジー株は幅広く上昇し、特に半導体関連株が買われた。アンソロピックはAIの開発や提供に必要な計算能力を大量に購入している。半導体関連の上場投資信託(ETF)「iShares Semiconductor ETF」は3%近く上昇した。

アンソロピックはIPOに向け、米証券取引委員会に「Form S-1」と呼ばれる届出書を提出した。届出書は、台湾の半導体受託製造大手、TSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)の生産が滞れば、事業に深刻な影響が及ぶと警告している。TSMCは世界の最先端AI半導体のほぼすべてを製造している。

AIバブル論争には過去のバブルに共通する供給過剰が見当たらない

TSMCの供給不足は、AIバブル論争の滑稽さを浮かび上がらせる。これまでも繰り返し指摘してきたように、AIバブル説には過去のバブルに共通する供給過剰という肝心な要素が欠けている。歴史上のどのバブルも、需要を超えて商品や設備が供給された結果だ。

2000年のインターネットバブルでは、何百万マイルもの光ファイバーケーブルが敷設されたにもかかわらず、使われずに放置された。2008年の住宅バブルでも、住宅建設業者は買い手のいない住宅を建て続けた。供給する企業が増えすぎ、買い手が足りなくなった点は共通している。現在のAI半導体市場は正反対で、需要に供給が追い付いていない。

次ページ > AI半導体を支えるTSMCは、なぜ生産能力を急拡大しないのか

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