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2026.10.29 12:00

米国が直面する最大の政治危機──マスク、データセンターの騒音問題で「周辺住宅418戸の買い取り」を提案

Andrew Harnik/Getty Images

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イーロン・マスクが率いるスペースXAI(旧xAI)は、ミシシッピ州のデータセンターに電力を供給するガスタービンが地域住民に悪影響を及ぼしているとして、全米黒人地位向上協会(NAACP)から強い批判を浴びている。そうしたなか、同社が騒音公害をめぐる集団訴訟に参加しないことを条件に、周辺の住宅数百戸の買い取りを住民に持ちかけていると報じられた。

住宅買い取りを提案、条件は「訴訟に関連するすべての請求権の放棄」

同社の弁護士らは、ミシシッピ州で3番目に人口が多い都市、サウスヘイブンのコロニアル・ヒルズ地区で各戸を訪問している。「訴訟に関連するすべての請求権の放棄などを引き換えに」、影響を受けている住宅を市場価格で買い取ると提案しているという。

この条件を受け入れた住民は、サウスヘイブンや隣接するテネシー州メンフィスの住民らが連邦裁判所に起こした集団訴訟への参加を禁じられることになる。原告の住民らは、ガスタービンから「絶え間なく」「信じられないほどの大音量」が響いているとして、生活妨害や過失責任などを訴えている。

「飛行機のエンジンのような音」

住民の1人であるエリザベス・ローズは英ガーディアン紙に対し、その騒音は「飛行機のエンジンのような音」であり、夜通し何度も目を覚まさせられると語った。また別の住民のジェイソン・ヘイリーは、「あまりに拷問のようで眠れず、家を出るか、疲れ果てて眠りに落ちるまで音楽をかけるしかない。気が狂いそうになる。無視されたり軽くあしらわれたりするため、希望も失ってしまう。逃げ場がないのだ」と訴えている。

買収目標は418戸、売却すると裁判で救済を求める権利も失う

ガーディアン紙によると、買い取り提案の対象はコロニアル・ヒルズ地区のほぼ全域にあたる418戸にのぼる。同社がこの地域で事業を拡大するなか、買い取った住宅はスペースXAIの従業員用宿舎として使われる予定だという。

すでに少なくとも18人がこの買い取り提案に応じたと報じられている。提案を受け入れた住民は、集団訴訟への参加権を失うだけでなく、今後はどの裁判所においてもタービンに関連する救済を一切求められなくなる。

騒音をめぐる集団訴訟の原告団は連邦裁判所に対し、数カ月間にわたる生活の混乱や精神的苦痛、健康被害に対する損害賠償に加え、不動産価値の下落に対する補償、さらには同社に騒音の軽減を命じる差し止め命令を求めている。

この訴訟には関与していない地元の弁護士、マイク・ワーキングは、メンフィス地域のニュース局に対し、騒音に不満を抱え、自宅の価値が下がっていると感じている住民のなかには「今のうちにお金を受け取って立ち去ろう」と考える人が出てくるかもしれないと語った。

スペースXAIは生活妨害の申し立てを否定しており、今年7月には施設周辺に「高度な消音技術」を備えた防音壁や消音器を設置するのに数百万ドルを投じると発表していた。

フォーブスは現在スペースXAIにコメントを求めている。

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翻訳=江津拓哉

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