アマゾンは10月29日、生成AIを搭載した次世代パーソナルアシスタント「Alexa+(アレクサプラス)」の日本国内での提供を開始する。まずは早期アクセスとして、希望者を順次招待する招待制を採用する。
早期アクセスへの参加方法は2通りある。専用サイトから登録して招待を待つか、または後述するAlexa+に対応する新デバイスを購入する方法だ。後者を選べば招待を待つことなく即座に利用を開始できる。対象にはAlexa+対応のEcho、Fire TVデバイスに加え、パナソニックとJVCによるFire TV搭載スマートテレビも含まれる。
早期アクセス期間中はAmazonプライム会員でなくても無料で利用できる。早期アクセス終了後は月額3000円のサブスクリプションサービスになるが、Amazonプライム会員は特典として追加料金なしで利用できる。
Alexa+の日本導入に先駆け、Amazon Alexaインターナショナルのアジア太平洋地域リージョナルマネージャー、ジャンマリア・ヴィスコンティ氏と、アマゾンジャパンでEcho・Ring・スマートホーム事業部を率いる丸山舞氏に開発の舞台裏と事業戦略を聞いた。
日本上陸の「壁」をどのように打ち破ったのか
Alexa+は従来のAlexaを生成AIによって根本から再構築したサービスだ。定型句のコマンドを伝える必要がなくなり、代わりにAlexa+が自然な会話を通じてユーザーの意図を理解し、さまざまなタスクを実行する。
技術基盤にはAWS(Amazon Web Services)が提供する生成AIアプリケーションの開発・運用プラットフォームであるAmazon Bedrockを活用する。Amazon NovaやAnthropicのClaudeなど複数の大規模言語モデル(LLM)から、要求された処理に適したモデルを選択する「マルチモデルルーティング」と、外部サービスや端末のAPIを連携させて自律的にタスクを遂行する「エージェント型オーケストレーション」が特徴だ。
日本版のAlexa+も基本構造は共通する。ヴィスコンティ氏によれば、家庭内のさまざまな用途に特化した70以上のモデルを組み合わせており、日本語で適切に機能するモデルの選定や指示の調整を重ねてきたという。
「日本語には言葉にしなくても相手に意図を察してもらうような、曖昧な表現があります。生成AIによって会話を続けながら意図を理解し、必要に応じて修正できることは日本語では特に大きな利点になります」(ヴィスコンティ氏)
丸山氏も、日本語特有の距離感に配慮したと説明する。
「カジュアルな話し方と丁寧な話し方のバランスの見極めに腐心しました。なれなれしく感じられないようにしながら、ユーザーから自分専用のアシスタントに信頼を寄せてもらえることを大切にしてきました」(丸山氏)
日本と北米とでは、ユーザーに使われるスマートホーム機器やサービスが異なる。そのため日本の国内メーカーとの連携や実機検証にも時間をかけた。



