経営・戦略

2026.10.31 11:15

不動産開発のトグルホールディングスが上場 独自のAI技術で2期連続の大幅成長へ──ニューカマー100

トグルホールディングス代表取締役の伊藤嘉盛

トグルホールディングス代表取締役の伊藤嘉盛

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2020年に設立し、デジタル化が遅れる不動産業界の中で、いち早くITテクノロジーやAIの活用に取り組んできたトグルホールディングス。10月30日に東証グロース市場に上場し、公開価格4040円に対して初値は3760円をつけ、公開価格を6.9%下回った。初日の終値は3640円だった。

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同社は、独自のデータ基盤やAI技術を活用して不動産開発を行う「Land Creation」と、自社の業務で培ったAIによる業務効率化の知見を外部企業へ展開する「Agentic Platform」を展開。2025年9月期の売上高は123.5億円、経常利益は9.3億円だったのに対し、2026年9月期の予想は売上高255.6億円、経常利益25.2億円。さらに、2027年9月期は売上高430.3億円、経常利益58.5億円と、2期連続で大幅な増収増益を見込んだ。

代表取締役を務めるのは、不動産関連スタートアップの連続起業家でイタンジ創業者としても知られる伊藤嘉盛。そのキャリアの集大成ともいえるトグルホールディングスは、今後どのように成長を描くのか。事業戦略や組織づくりについてなど、伊藤に聞いた。


――創業から約6年というタイミングで上場に踏み切った理由を教えてください。

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伊藤嘉盛(以下、伊藤):最短で上場しようと考えて準備をしており、それが十分に整ったタイミングが今でした。

上場の主な目的は、既存事業を成長させるための資金調達とM&A。既存事業は、今後も現在のペースで伸ばし続けていきますし、それを実現できる自信があります。それに加え、不動産や建築、金融の業界において、ITテクノロジーやAIの活用で業務が大きく効率化しうる企業と資本提携し、その事業を成長させていくということにも取り組んでいきたいと考えています。

――競合と比較して、トグルホールディングスの強みは何でしょうか。

伊藤:当社の主たる事業は、市場に流通していない土地を発掘し、訪問営業のスタイルで複数の地権者との合意形成を行って、新たな開発用地として販売すること。泥臭い不動産開発の業務を、独自のITテクノロジーやAIを用いて生産性を上げ、新しい付加価値を付ける、といったことを行っています。他社へのテクノロジーの提供も一部ありますが、あくまでもメインは自社での活用。そのため、当社は不動産テックではなく、AIの会社が不動産業を営んでいると考えています。

当社では、3~10階建て、20~30戸ほどのマンションが建つような大きさの土地を扱っています。価格でいうと5~10億円ほどの比較的小さな規模です。複数の地権者との交渉といった手間やコストがかかる一方で、そこまで大きな売上が得られるわけではないため、もっと大きな土地をまとめて高層ビルや高層マンションを建設している大手の不動産会社からすると、割に合わない領域であるということが強みのひとつです。

また、当社のようにゼロから売り物になる土地を発掘するためには、複数のデータを突き合わせながら時間をかけて解析する必要がありますし、営業コストもかかります。我々は、瞬時に条件に合った土地を見つけられるツールや、未経験でも不動産営業として立ち回れるツールを独自に開発することによって利益を出せる仕組みをつくっており、そこに競合他社の参入障壁があると考えています。

ツールの開発自体はITプレイヤーにも時間をかければ可能ですが、そもそもツールを外販しても収益につながりにくい。さらに自社で訪問営業を1人あたり毎日十数件できる組織を100名体制でつくることも難しい。当社は営業力と、業務の自動化やAI化のやりきりが強みです。

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文=三ツ井香菜 写真=山田大輔 編集=田中友梨

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