経営・戦略

2026.10.29 08:30

フードロスから多角化で、売上高2.5倍、営業利益5倍へ──ブレイクスルー企業100(第5回)クラダシ

クラダシ代表取締役社長CEO 河村晃平(撮影=曽川拓哉)

クラダシ代表取締役社長CEO 河村晃平(撮影=曽川拓哉)

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2023年6月、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に与えられる「B Corp」取得企業として初めて東証グロース市場に上場した「クラダシ」。食品メーカーからフードロスになる可能性のある商品を買い取り、低価格で販売するEC事業は、会員数66万人、パートナー企業数は約2300社にまで拡大した。その傍らで、IPO後の3年間は、再生エネルギー事業や空き家事業にも参入したほか、24年にはカンパニー制を導入。

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積極的な打ち手を重ねてきたことで、26年6月期の売上高は前期比22%増の37.6億円、営業利益は黒字に転じて1億円となった。さらに27年6月期は、売上高95.3億円で営業利益5億円と、急激な業績アップを見込む。

代表取締役社長CEOの河村晃平は取締役執行役員CEOを経て、24年7月に現職に就任。上場後に取り組んできた事業の多角化やカンパニー制導入の背景、今後の事業展開、さらには社長としてのあり方を変えた出来事についても聞いた。

上場後3年間は「種まき」

──2023年上場後の1〜2年は業績が伸び悩んでいます。一方、M&Aや再エネ事業への参入などといった新たな取り組みも続けてこられました。振り返って、どのような期間でしたか?

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河村:上場してから1年間は、フードロスEC事業がなかなか伸びませんでした。食品の値上げや原材料高で、食品メーカー側が在庫をシビアにコントロールするようになり、フードロス品の供給が少なくなったためです。そこで、冷凍弁当事業を手がけるクロスエッジ(24年4月)やオンライン料理事業のL'ATELIER de SHIORI(25年6月)を買収して領域を拡大しました。

24年7月に私が社長に就任したタイミングでカンパニー制を打ち出し、中期経営計画を発表しました。同時に、フードロス事業に加えてエネルギー事業にも取り組むと決め、25年1月に、系統用蓄電池を使って再エネの電力ロスを減らす「Kuradashi Energy」を立ち上げています。

上場してからの約3年間は、「種まき」の期間でした。

──26年6月期の売上高は前期比から22%増加しました。まいてきた種が実り始めたということでしょうか。

河村:はい。社長就任時に発表した中計で掲げた2027年6月期の目標は、売上高100億円、EBITDA5億円です。当時は売上高30億円規模で、赤字と黒字を行ったり来たり。そのうえ上場前は売り上げが年率70%超で伸びていたのに、上場後の1年目は横ばいから少し右肩下がりになってしまった。そこから改めて成長軌道に戻すと宣言したのがこの中計です。

今年がその最終年度ですので、実績で示せるかどうかが問われます。投資家の皆さまにも、しっかりアピールしていかなければなりません。

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文=露原直人 撮影=曽川拓哉

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