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2026.11.02 12:00

スタートアップに足りないのは資本より「注目」、未来のVCは金融よりメディアに近い

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起業に関心のある人、あるいは経験豊富なテック起業家にとっても、資金を調達し、一流のベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けることは、ほぼ常に「やりたいことリスト(To-Doリスト)」の最上位にくる。筆者がキャリア教育プラットフォーム「Workhap(ワークハップ)」を立ち上げた際、コンテンツクリエイターやインフルエンサーになることを夢見ていたわけではない。当時、誰もがそう望んでいたように、私は典型的なSaaSビジネス(インターネット経由でソフトウェア機能を提供するサービス)を構築し、VCからの出資を得たいと考えていた。だが時代は変わり、それに伴ってベンチャーキャピタルを取り巻く状況も変化した。

2026年第3四半期に世界のVC投資は大規模なAI投資に後押しされて8341件にのぼり、総額1709億ドル(約27兆円)に達した。しかし、従来は創業者が業界に革新をもたらす存在だったが、現在では業界全体が新たな方向へと向かっているように見える。長年にわたってトップクラスのベンチャーキャピタル(VC)は、創業者が他では簡単には得られないものへのアクセスを提供することで成功を収めてきた。

シリコンバレーにある世界最高峰のスタートアップ・アクセラレーターであるY Combinatorは、スタートアップ教育の普及に貢献し、創業者に会社を立ち上げる方法を教えることを軸としたエコシステムを構築した。ベンチャースタジオはさらに一歩踏み込み、アイデアをビジネスへと変えるための運営インフラを提供した。その後、ベンチャーキャピタルは採用や営業、マーケティング、事業開発を支援する大規模なプラットフォームチームを構築した。どのモデルも希少なリソースを中心に構築された。今日、その希少なリソースは新たなものへと進化しつつある。

会社設立の方法を学ぶことは、かつてないほど簡単になった。初めて起業する創業者でも、YouTubeで世界トップクラスの起業家たちのノウハウにアクセスし、複数のAIエージェントを同時に動かしてMVP(実用最小限の製品)を構築し、ますます裾野が広がる投資家層から資金を調達することができる。だが、依然として極めて困難なのは、誰かに実際に興味を持ってもらうことだ。

限られている「注目」をめぐって競い合うスタートアップ、ファンド、そして製品も増えている。創業者が優れたプロダクトを開発したとしても、その成功を左右し得る顧客や従業員、投資家にリーチするのに苦労するかもしれない。

その結果、ディストリビューション(流通・情報拡散力)は、現代のビジネスを構築するための最も価値あるインフラの1つとなった。そして、創業者が求めるものが変化するにつれ、彼らを支援するために設立されたベンチャーキャピタルもそれに合わせて変わらなければならない。

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翻訳=溝口慈子

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