AI

2026.10.28 10:00

AIはテック業界以外の企業に「利益をまったくもたらしていない」、投資大手のエコノミスト指摘

Amanda Andrade-Rhoades for The Washington Post via Getty Images

スペースXとの取引だけにとどまらず、アポロは最も積極的にこの分野への出資を行う企業の1つだ。今年1月には、同社のファンドや関連会社がxAIにリースされる機器向けに35億ドル(約5520億円)の融資を主導した。また、エネルギー企業Williamsのデータセンター向け電源開発プロジェクトに対しても、ブラックストーンやKKRとともに53億4000万ドル(約8430億円)の出資を約束している。6月のブロードコム向け融資と今回のスペースXの案件を含めると、公表されたこれら4件の総額は参加投資家全体で約840億ドル(約13兆3000億円)にのぼる。なお、このうちアポロ単独の拠出額は明らかにされていない。

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他のオルタナティブ資産運用会社も同様に巨額の資金を投じている。Blue Owlが運用するファンドは、メタの270億ドル(約4兆2600億円)規模のデータセンター「Hyperion」を開発する合弁会社の株式80%を保有している。ブラックロック傘下のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズとHPSインベストメント・パートナーズも、テキサス州エルパソで進める140億ドル(約2兆2100億円)規模の別のデータセンター開発でメタと提携した。また、KKRがAIインフラへの融資や建設、運営を行うために6月に立ち上げたプラットフォーム「Helix」には、KKR自身のほか、エヌビディア、クウェート投資庁、電力会社のVistraなどから100億ドル(約1兆5800億円)以上の資金が集まっている。

こうしたプライベートキャピタル各社は、AI関連株への直接投資よりも比較的安全性の高い融資を選好しており、単に資産価値の上昇に賭けるのではなく、損失を防ぐための保護条項も交渉で盛り込んでいる。たとえば直近のブロードコムの取引では、ブロードコム側が資金調達元に対し、シニアローンの額に相当する残価保証を提供している。またメタも、Hyperionの合弁会社に対して稼働開始から16年間にわたり、上限および条件付きの残価保証を提供した。

アポロのマーク・ローワンCEOも、半導体向けの融資について同様の論理を展開している。ローワンは9月に開かれたバンク・オブ・アメリカのカンファレンスで、4〜5年かけてコストを償却し、残価リスクを和らげる仕組みを説明したうえで、「半導体を担保にすれば、巨額の資金を安全に投じることができる」と語った。

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ローワンは、たとえ一般企業がAI技術そのものから利益を上げるのに苦戦したとしても、アポロはAIインフラへの融資から利益を得られると踏んでいる。この視点の違いを踏まえれば、ローワンの強気な姿勢とスロックの懐疑論が社内で共存している理由も説明がつく。しかし、かつてスロック自身が予測したような生産性の向上が最終的に実現しなければ、企業はAI予算の削減に動く可能性がある。そうなれば、アポロや競合他社が融資する半導体や電力、データセンターの需要そのものが脅かされることになりかねない。

(forbes.com原文)

翻訳=江津拓哉

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