ウォーシュ議長の下でFRBの政策運営はどう変わるか
新たに就任したケビン・ウォーシュFRB議長の下で、2027年には政策運営の方法が変わる可能性がある。FRBはすでに、今後の金利の道筋をあらかじめ示す「フォワードガイダンス」を縮小している。金利の先行きを明確に示す代わりに、政策金利を会合ごとに判断するようになった。
2027年にはさらに、経済データの収集・利用方法、FRBの会合日程や情報発信の方針が見直される可能性がある。FRBの資産と負債を示すバランスシートの活用方法や、インフレ率の測定方法も見直しの対象だ。ウォーシュは各分野について作業部会を設けており、変更が承認されれば2027年に実施が始まる可能性がある。
議決権の交代とFRB理事の進退がFOMCの構成に与える影響
2027年には、米国の地区連邦準備銀行(地区連銀)の総裁が持つFOMCの議決権も入れ替わる。ニール・カシュカリ、ローリー・ローガン、ベス・ハマックの3人は議決権を失う。3人は2026年7月に利上げを支持する立場からFOMCの決定に反対票を投じたため、議決権の交代が利上げ判断に影響する可能性がある。ただし、議決権を持つ地区連銀総裁が毎年交代しても、会合に出席して議論する委員全体の顔ぶれは比較的変わらない。議決権の交代が金融政策に影響しない可能性もある。
パウエルかクックが退任すれば、トランプは後任理事を指名できる
FOMCの構成は、ジェローム・パウエルFRB理事が任期満了の2028年1月より前に辞任した場合にも変わり得る。歴代のFRB議長は、議長任期が終わる際に理事も退くのが慣例だった。パウエルはドナルド・トランプ大統領との緊張関係などから、議長退任後も理事にとどまっている。トランプはパウエルに法的な不正疑惑を提起した。2026年9月に公表された監察総監の報告書は、パウエルに犯罪行為や行政上の不正があったとは認めなかったが、建物改修事業の管理に不備があったと指摘した。パウエルは理事を退く前に、改修問題が最終的に決着することを求めている。
最高裁判所がリサ・クックFRB理事の在任継続を認めた後、トランプ政権は改めてクックの解任を目指している。パウエルかクック、あるいは両者が退任すれば、トランプはFRB理事を新たに1人か2人指名でき、金融政策の方向をある程度変えるかもしれない。
市場は2027年に1~4回の利上げを予想、利下げの可能性は低い
現時点でFRBは、高止まりするインフレに対応するため利上げを重視している。焦点は金利をどの程度引き上げ、どれほど速いペースで実施するかだ。市場は2027年にかけて金利がさらに上昇すると見込んでおり、2027年の利上げ回数として1~4回が最も有力視されている。市場は2027年の利下げを、利上げに比べてはるかに起こりにくいとみている。


