米国時間2026年10月26日、2026年に特に注目を集めるIPO(新規株式公開)の1つが実現へ一歩近づいた。米AI企業アンソロピックが、米証券取引委員会(SEC)にS-1登録届出書を提出した。11月2日には2026年7~9月期の業績などを追加した修正版(S-1/A)も提出している。ナスダックに「ANT」の銘柄コードで上場を申請しているが、修正版に公開価格と売り出す株数は記載されていない。
アンソロピックのIPOを巡る議論は、企業評価額とAI分野での競争に集中してきた。しかし、投資家にとっては、アンソロピックが米デラウェア州のパブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)として設立されている点も重要だ。この法人形態は、取締役会の意思決定や株主が受けられる利益に影響する。
PBCは株主利益とAIの安全性をどう両立させるのか
PBCは営利企業だが、経営上は株主の金銭的利益に加え、従業員や顧客など事業から重大な影響を受ける人々の利益と、設立文書に定めた公益目的も考慮しなければならない。アンソロピックの公益目的は、高度なAIを人類の長期的利益のために責任を持って開発・維持することだ。従来型の営利株式会社は主に株主の金銭的利益を重視するが、PBCには3つの利益を比較し、バランスを取る法的な責務がある。
アンソロピックのPBCという法人形態は、取締役会の基本的な優先事項を定め、将来の買収の可能性にも影響する。



