ネオクラウドはAnthropic頼み、マスクは大量淘汰を予想
Anthropicがデータセンターの拠点を広げ続けられるかどうかは、スペースXのように幅広い事業を持たない、規模が小さい取引先の多くにとって、とりわけ重要である。最も弱い立場にあるのが、いわゆるネオクラウドだ。AI向けの半導体を大量に買い込み、Anthropicのように計算能力を必要とする企業に貸し出している。
Anthropic向けが契約の43%、計算能力の半分近くを貸す例も
目論見書からは、こうしたネオクラウドがどれほどAnthropicに依存しているのかも見えてくる。半導体を貸し出すネオクラウドで、現在IPOを目指しているNscaleは、総額1030億ドル(約16兆1710億円)に上る契約のうち43%をAnthropicに頼っている。
上場しているビットコインのマイニング(採掘)企業で、データセンター事業にも乗り出したTeraWulf(テラウルフ)は、契約済み計算能力の半分近くをAnthropicに貸し出している。データセンター運営会社Hut 8(ハット8)のAI向けリース契約も、約25%がAnthropic向けである。
巨額の借り入れを懸念、CoreWeaveなどの株価が下落
こうした企業とスペースXの違いを、マスクは10月25日に指摘した。Xへの投稿で、マスクは次のように書いている。
「スペースXはGPUのために400億ドル(約6兆2800億円)の借り入れをまとめました。でも、私たちは投資適格の格付けを得ていますし、スターリンクとロケット打ち上げの収入もあります。つまり、200社を超えるネオクラウドは、グッピーのようにばたばたと倒れ、統合されていくということです。生き残るところもあるでしょうが、多くはありません」。
こうしたネオクラウドの多くは、10月26日までの数週間で株価を下げている。データセンターの建設資金をまかなうのに必要な借金が巨額にのぼることを、投資家が懸念しているためだ。なかでも最も大きな打撃を受けたのがCoreWeaveだ。CoreWeaveは2026年4〜6月期に、売上高の72%を上位3社の顧客に頼っていた。Anthropicにどの程度依存しているのかは明らかではないが、両社は2026年4月に複数年の契約を結んでいる。
四半期で数兆円を稼ぎ続けられるか、IPOの成否を左右
投資家は今後、Anthropicが四半期ごとに数百億ドル(数兆円)規模の売上高を稼ぎ続けられるかどうかを、注意深く見守ることになる。その勢いが鈍れば、IPOの足かせになる上、テック業界全体に冷や水を浴びせかねない。サンフランシスコを拠点とする投資信託のパーマネント・ポートフォリオ・ファミリー・オブ・ファンズで社長を務めるマイケル・クジーノは、こう話す。
「AnthropicもOpenAIも、本当の意味ではまだ利益を出していません。売上高に疑問の目が向けられ始め、急成長も望めなくなれば、上場するのにふさわしい時期とは言えません」。


