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2026.10.28 08:00

アンソロピックのIPO目論見書で判明、データセンターとAI半導体への支出が160兆円に迫る規模に

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大口契約の多くは出資企業が相手、循環型の資金調達が目立つ

事情をいっそう複雑にし、見えにくくしているのが、Anthropicが結ぶ大口契約の多くが、自社に出資している企業との契約だという点である。未上場企業に投資できるプラットフォームを運営するTessera PE(テッセラPE)の創業者かつCEO、チャン・アンはこう話す。

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「循環型の資金調達が、ますます目立つようになっています。出資関係があちこちで絡み合っているのです。AnthropicやOpenAIのような企業が破綻する確率はごく小さいでしょう。ただ、すべては両社が成長し続けることが前提になっています」。

Anthropicは、グーグルとはクラウドコンピューティングと半導体をめぐって1145億ドル(約17兆9770億円)の契約を結んでいる。アマゾンとはクラウドコンピューティングで1100億ドル(約17兆2700億円)、マイクロソフトとは計算能力とエヌビディア製システムの利用で450億ドル(約7兆650億円)の契約を結んでいる。3社はいずれもAnthropicの株を持っている。ただ、米証券取引委員会(SEC)に提出した上場に向けた届出書類「S-1」の資本構成表(株主ごとの持ち株をまとめた表)には、3社とも載っていない。

最大の契約はブロードコムとの約25兆円、半導体とインフラが対象

Anthropic最大の契約は、ブロードコムとの半導体とインフラをめぐる1610億ドル(約25兆2770億円)の契約である。さらにAnthropicは、自社株に転換できる転換社債を最大420億ドル(約6兆5940億円)までブロードコム向けに発行できる契約も結んでいる。S-1によると、AnthropicはAMDの半導体に200億ドル(約3兆1400億円)超を投じる見込みだ。AMDは2026年7月、Anthropicの普通株を最大50億ドル(約7850億円)分買うことで合意している。

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Anthropicはまた、マイクロン、サムスン電子、SKハイニックスからメモリーとストレージを購入している。3社はいずれも、2026年5月にAnthropicが実施した資金調達ラウンド「シリーズH」に参加した。このラウンドで、Anthropicの企業価値は9650億ドル(約151兆5050億円)と評価された。3社がAnthropicの株をどれだけ持っているのかについて、S-1には記載がない。

スペースXへ月約4870億円を払う契約、両社の命運が結びつく

もう1つの巨大な契約が、スペースXと結んだ1205億ドル(約18兆9190億円)の契約である。スペースXが大量に買い集めたエヌビディアのGPU(画像処理半導体)を利用するためのものだ。スペースXがすべての計算能力を引き渡せば、Anthropicの支払いは月31億ドル(約4870億円)になる。引き渡しは2026年12月の見込みである。

この契約は、スペースXにとっても大きな収入源になる。2027年1〜3月期には、この契約だけで、スペースXが見込む同四半期売上高の約25%を占める計算だ。両社の命運は、事実上、互いに結びついていることになる。

電力不足や建設の遅れがリスク、燃料費は上限なく上乗せ

Anthropicは目論見書で、インフラの整備にまつわるリスク要因を数多く挙げている。電力不足、建設の遅れ、データセンターに対する反発の高まりなどで、いずれも事業の拡大を頓挫させかねない。

契約の中には、計算能力を使うかどうかにかかわらず、20年間にわたって支払いを続けるよう求めるものもある。料金は毎年引き上げられ、燃料費も上限なく料金に上乗せされるため、Anthropicはエネルギー価格上昇の影響を受けやすい立場にある。ハードウェアを使えるようになる前に、機器の代金を払わなければならなくなるおそれもある。ブロードコムとのリース契約では、データセンターの準備が整っていなくても、リース料の支払いが始まる場合がある。

アマゾン、グーグル、AMD、マイクロソフトとの契約で確保するデータセンターの容量は、合わせて最大13ギガワットにのぼる。ニューヨーク市全体の電力をまかなえる規模だが、その多くはまだ整備されていない。Anthropicが使うデータセンター全体で見ても、拠点は米国に集中しており、この他にオーストラリア、カナダ、ノルウェーでも開発が進んでいる。

1兆ドル(約157兆円)近いリースや契約は、どれもAnthropicの貸借対照表(バランスシート)には載っていない。Anthropicがこれらを負債として計上するのは、リースが始まってからだからである。2026年6月末時点でAnthropicが報告した負債は1170億ドル(約18兆3690億円)で、その大半は転換社債である。

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翻訳=酒匂寛

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