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北米

2026.10.27 09:00

イラン紛争に伴う米国民の負担、1世帯当たり30万円超に

Adobe Stock

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米財務分析企業ムーディーズ・アナリティクスの分析によると、イランとの紛争により、米国民は1世帯当たり平均2000ドル(約32万円)の負担を強いられている。その主な要因は、ガソリン価格の高騰と、ディーゼル燃料(軽油)を使用するトラックで輸送される商品の価格上昇にある。

紛争に伴う経済的な負担は、有権者が投票所に足を運ぶ際、大きな影響を及ぼす可能性がある。問題が現在ほど深刻ではなかった6月の時点で既に、米ニュースサイト「ポリティコ」の世論調査に対し、米国の有権者の46%が、11月の中間選挙でガソリン価格の動向が自身の投票の判断に影響を与えると回答していた。

こうした二次的な影響は、紛争に伴う間接的な費用のほんの一部に過ぎない。ほかにも、戦争で損傷した軍事装備の修復や交換、紛争で負傷したり心的外傷を負ったりした軍人の治療といった費用もかかることになる。

こうした影響については、攻撃に踏み切るかどうかの決定がなされる際にはほとんど考慮も議論もされない。米国がイランへの攻撃に踏み切った際も、議会での諮問や、紛争の是非に関する国民との議論は一切行われておらず、真剣に検討されていなかったことは明白だ。1人の人間、あるいは大統領とごく少数の側近の気まぐれで攻撃に踏み切ると、往々にして悲惨な結果を招く。

だからこそ憲法は、開戦を承認する権限を議会に与えているのだ。しかし、この規定は数十年にわたり無視され続けてきた。議会は「戦争権限法」に基づき、特定の紛争から米軍を撤退させるよう求める決議案を提出するなど、この問題を巡る権限を取り戻そうと試みてきた。イランとの紛争に関する最近の試みは、上院でわずか1票差で否決された。イランとの紛争が長引くようなら、来年1月に召集される新議会は、この戦争権限法に関する問題を直ちに取り上げるべきだ。

イラン紛争の費用を巡る議論に加え、米国防総省が来年度予算として提示した1兆5000億ドル(約236兆円)という途方もない要求についても、慎重な精査をするべきだ。これほど巨額の増額が必要だという根拠は、何一つ示されていない。米国は既に、最大の競合国である中国の3倍近い予算を軍事費に充てている。しかもその予算には、約束通りの性能を発揮しないものや、今後起こりうる紛争でほとんど役に立たないような、高額な兵器が山ほど盛り込まれている。こうした兵器を調達するのは、国防に必要だからではない。有力な議員の選挙区や州に製造拠点を置く兵器製造業者を潤すためだ。国家防衛という極めて重要な分野で、このような予算の立て方はあってはならない。国防総省に必要なのは予算の増額ではなく、支出の規律の強化だ。

国防総省にどれだけの資金が投入されるかについて、最終的な責任は有権者や納税者、そして投票権を行使しない国民にある。米国のドワイト・アイゼンハワー元大統領は1961年、軍産複合体が行使する不当な影響力の危険性について警告した際、唯一の効果的な対抗手段は「警戒心を持ち、知識を備えた市民」だと述べた。これは、同元大統領が演説を行ってから65年が経過した今日でも真実だ。

米国民は、国防総省がなぜこれほど巨額の税金を費やしているのか、そして具体的に何に支出しているのかについて、詳細な説明を求める必要がある。そして国民の代表である議員には、情報を徹底的に突き止め、広く共有し、不必要な支出を削減するための手段として活用することが求められる。これこそが、議員の本来の仕事なのだ。議員がこの責務を果たすよう、国民は注視していかなければならない。

(forbes.com 原文)

翻訳・編集=安藤清香

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