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2026.10.27 09:15

予想を大きく上回ったスペースXの決算、それでも投資家が問うべき5.5兆円の行方

SpaceX

スターリンクは、他社が再現するのが極めて困難なプロダクトを長年かけて構築してきた。世界規模の衛星ネットワーク、ロケット打ち上げ能力、周波数の使用権、規制当局との関係、そして必要とするサービスに定期的に代金を支払う数百万人の顧客を擁している。競合他社が明日参入を決めたとしても、スペースXがすでに確立したものを再現することは容易ではない。

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依然として多大なコストがかかるのは事実だ。人工衛星の更新は必要であり、通信容量の拡大も不可欠だ。また、スターリンクがより低価格な海外市場に参入しているため、顧客あたりの平均売上高は前年水準を下回っている。しかし、同部門は規模の経済のメリットを示しており、その営業利益はすでに大きな規模に達している。

もしスターリンクが独立した企業であれば、投資家はその優れた収益性に大きなプレミアムを支払うだろう。スターリンクはすでにAI部門よりも大幅に高い営業利益率を生み出しているにもかかわらず、マスクは設備投資の84%をAI部門に振り向けている。彼の判断は正しいのかもしれない。しかし、特にスターリンクの経済的魅力が増している中で、なぜそのような配分を行っているのかを理解したいところだ。

また、Cursor(カーソル)の買収に伴う600億ドル(約9兆4500億円)の想定株式価値の問題もある。この買収によりスペースXはAIソフトウェア分野でのポジションを確立し、優秀な技術人材を獲得したが、これには多額の株式報酬取り決めも含まれていた。今後数四半期にわたり、その事業がどれほど貢献するのか、そして成功の立役者である人材を引き留めるためにどれほどのコストがかかるのかを注視したい。

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筆者は、スターリンクとAI事業の評価を全く異なるものとして捉えている。前者は確立されたネットワーク、継続的な顧客、そして可視化された営業利益を備えている。後者は、競争環境と必要資本が絶えず変化する業界の中で異例のペースで拡大している。両者を1つの銘柄としてまとめたとしても、そうした根本的な違いが消えるわけではない。

スペースXには、インフラを構築し大規模な運用を行う強力な強みがあり、他者が不可能だと切り捨てた野心を実現してきたマスクの実績は尊敬に値する。また、同社には長期的な投資サイクルに耐えうる十分な手元資金もある。

投資家は、すでに将来の大きな成功を見込んで株価を提示している。今後数四半期の動きによって、今年整備されたAIインフラが、さらなる巨額の設備投資増を必要とせず、有意義な営業利益を生み出せるかどうかが判明するはずだ。また、スターリンクが収益の成長を維持できるか、そして経営陣がその事業から生み出されるキャッシュをどのように配分するのかにも注目したい。

筆者は単にコスト削減のためだけにスペースXの支出を減らしてほしいと考えているわけではない。リターンに見合うものであれば、経営陣がさらに500億ドル(約7兆8700億円)を費やしても歓迎する。ただし、業界の将来性が極めて明るく見えるからといって、AIに投資されるすべての資金が自動的に価値を生み出していると見なすような過ちは犯さない。

スペースXの決算は、マスクがどれほど素早く別の超大型ビジネスを構築できるかを示した。しかし、今年の営業活動で生み出されたキャッシュを350億ドル(約5兆5100億円)上回る設備投資が行われている以上、証明すべき課題は依然として山積みだ。マスクは他人が不可能だと思ったものを構築することで巨額の富を築いてきた。評価額が2兆ドル(約315兆円)に迫る中、スペースXの株主が支払っている対価は、彼がこれまでに達成した成果に対してなのか、あるいはこれから証明すべき課題に対してなのか、筆者は疑問を感じ始めている。

(forbes.com 原文)

編集=鈴木喜生

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