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2026.10.27 09:15

予想を大きく上回ったスペースXの決算、それでも投資家が問うべき5.5兆円の行方

SpaceX

5兆5100億円をめぐるスペースX決算の問い

筆者は1990年代後半の通信ブームを覚えている。インターネットが世界を変えることを見越して、企業はネットワークや光ファイバー、インフラに多額の資金を注ぎ込んだ。もちろん、彼らの見立ては正しかった。インターネットのトラフィックは爆発的に増加し、誰もが想像していた以上のインフラが必要となった。しかし残念ながら、その拡張に資金を出した株主の多くは、特に良い結果を得られなかった。

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問題は需要の不足ではなく、それを満たすために投入された資本の量だった。十分な容量が構築されると、価格は下落し、リターンは減少して、多くの企業が投資額を正当化できなくなった。完全に姿を消した企業もある。インターネットの成長を正しく予測した投資家たちでさえ、巨額の資産を失う結果となった。

AIにも同じような展開が見え始めている。ただしスペースXは、当時の多くの通信企業より財務的にははるかに強い。同社はIPOで約857億ドル(約13兆5000億円)の純手取り資金を調達し、9月末時点で現金、現金同等物、拘束性預金を合わせて534億ドル(約8兆4100億円)保有していた。拡大に向けた資金調達は、差し迫った問題ではない。

マイクロソフト、アマゾン、アルファベットを筆頭とする多くの企業が、独自のコンピューティングインフラ開発に膨大な資金を投じている。スペースXは、名目上のコンピューティング容量をわずか1年で0.6ギガワットから1.7ギガワットへと拡大した。あらゆる企業が可能な限り急速に構築を進めており、利用可能な容量を顧客が奪い合っている間は、その経済性は極めて魅力的に見える。

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筆者はこうした状況を以前にも目にしたことがあり、現在の価格環境が永久に続くと仮定することには慎重であるべきだと考える。

現在コンピューティング容量に資金を支払っている企業の一部は、外部サプライヤーへの依存度を下げるための投資も行っている。それは彼らの立場からは合理的だが、インフラを提供する企業にとっては魅力的とは言えない。顧客に多くの選択肢が生まれたとき、価格設定は投資の方程式において極めて重要な要素となるはずだ。

筆者が知りたいのは、スペースXの将来のAI売上高のうち、どれだけが確定的な契約でカバーされているのか、それらの契約がいつ満了するのか、そして経営陣が設備更新のコストをどう見込んでいるのかである。こうした詳細は、現在の売上高成長率よりも、将来の収益性についてはるかに多くを教えてくれる可能性が高い。

AI事業は、非常に高い利益を生むようになるかもしれないし、他社が立ち位置を模索している間に、マスクがこれほど積極的に投資したことは正しいのかもしれない。しかし、9カ月間で400億ドル(約6兆3000億円)という支出は相当な賭けである。株主は、単に成長率の数字を証拠と見なすのではなく、その投資が受け入れ可能なリターンをもたらすという証拠を要求すべきだ。

スターリンクの方が優れた事業かもしれない

スペースX内部には、筆者がより強い関心を寄せるもう1つの事業が存在するが、現在はAIの陰に隠れてしまいがちだ。

スターリンクは四半期売上高で52億ドル(約8190億円)(69%増)を達成し、営業利益は約24億ドル(約3780億円)に達した。一般向け加入者数は1360万人とほぼ倍増し、コネクティビティ部門は約15億ドル(約2360億円)の設備投資を行いながら、35億ドル(約5510億円)の調整後EBITDAを生み出した。

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編集=鈴木喜生

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