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2026.10.27 07:00

アンソロピック、IPO正式申請──早ければ11月中旬、評価額最大320兆円で史上最大規模の上場へ

Sheldon Cooper/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

悪用や権威主義的な政府による利用など、申請書類に4つのリスクを記載

一方、申請書類には「これほど強力なものはすべて、善にも悪にも利用され得る」とも記されており、大きく分けて4つのリスクが挙げられている。すなわち、悪意ある人物による悪用、AIの自律的な暴走、権威主義的な政府による利用、そして深刻な経済的混乱だ。

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1つ目のリスクへの対策として、同社は「有益な活用を可能にしつつ、技術の悪用を防ぐよう設計されたガードレールと信頼できるアクセスプログラム」を備えていると説明している。また、自律的に行動するAIが「もっとも大きな、グローバル規模の安全保障上の脅威」になり得ることや、権威主義的な政府がハイテク監視国家の構築、弾圧の強化、権力の拡大にAIを利用する恐れがあることも認めた。さらに、AIが引き起こす経済的混乱についても調査を進めるとしており、対応策を研究するために政府と連携してすでに2億ドル(約320億円)を拠出することを約束している。

アンソロピックは申請書類の中で、「我々は、AIが人類の歴史において最も重要な技術の1つだと考えている。適切に管理されれば、科学のイノベーションを急速に加速させ、経済成長率を大きく引き上げ、主要な疾患の治療法を手の届くものにし、人類が何世代にもわたって解決できなかった問題を打開できる可能性がある」としたうえで、「アンソロピックは、これほど急速かつ強力な技術革命に伴うリスクに対処し、それを未然に防ぎながら、こうした恩恵を実現することを目指している」と結んだ。

第3四半期決算の売上高は前四半期比45%増、計算資源にかける費用も急増

アンソロピックは2021年、現CEOのダリオ・アモデイをはじめとするOpenAIの元社員らによって設立された。同社が開発したAIモデルのClaudeは、OpenAIのChatGPTやグーグルのGeminiなどと競合している。これまでにアマゾンやグーグル、エヌビディアが同社に数十億ドル規模を出資し、AI技術の開発や販売に必要な半導体やデータセンターなどへの投資資金を支えてきた。

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同社が10月に発表した第3四半期決算では、売上高が前年同期比45%増の168億ドル(約2兆6900億円)に達した。また、今後10年間でクラウドサービスや計算資源、インフラに5180億ドル(約82兆9000億円)を投じる計画を明らかにしたほか、今年上半期には前年同期の23億ドル(約3680億円)から大幅増となる約90億ドル(約1兆4400億円)を支出したと報告している。

AIへの巨額支出に市場が警戒、IPOを先送りする企業も

一方、投資家の間では巨額のAI投資に見合うリターンを本当に得られるのかとの警戒感が強まっている。直近ではメタとテスラの決算発表でそれぞれ設備投資の多さと少なさが嫌気され、22日にはAI関連株の下落を引き起こしたばかりだ。こうした懸念に金利の上昇も加わり、多くのハイテク株や半導体株にとって厳しい環境が生まれている。ロイターは関係者の話として、こうした影響により、SwitchやNscaleなどの他のAI関連企業が上場を今年後半へ延期する判断を下したと報じた。

公益基金に自社株の約5%を拠出

アンソロピックは上場後、新たな公益基金に自社株の少なくとも5%を拠出する方針だ。株主の承認を条件として設立されるこのAnthropic Public Benefit Fundは、政治献金やロビー活動を除き、非営利団体への寄付や「特定の層への直接分配」を行う際に「より高い柔軟性と規模」を確保することを目的としている。なお、アンソロピックの発表から数時間後には、イーロン・マスクが来年、米国のすべての子どもにスペースX株を1株ずつ贈ると表明した。

ダリオ・アモデイの推定資産額は、26日の取引開始前の時点で155億ドル(約2兆4800億円)となり、フォーブスの『リアルタイム・ビリオネア・リスト』で177位につけている。また、共同創業者兼社長のダニエラ・アモデイも同じく155億ドルの推定資産を有している。

(forbes.com原文)

翻訳=江津拓哉

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