EUは7月23日、エネルギー関連措置を含むロシアに対する新たな制裁を採択した。さらに9月18日には、トランプ大統領が「2026年リンゼー・グラム・ロシア・イラン制裁法」に署名した。同法はロシアのエネルギー産業を標的としており、同国産の石油や天然ガスを大量に輸入する国々に対して関税を課すことを認める内容となっている。
EIAの統計によると、2022年12月~2026年1月までの米国のガソリンの月間平均価格は、1ガロン(約3.785リットル)当たり約3.29ドルで、2月の平均価格は2.91ドルだった。ところが、米国がイランへの攻撃を開始し、ホルムズ海峡経由の輸送が混乱に陥ったことで、3月の平均価格は3.64ドルとなった。5月には4.48ドルまで上昇し、直近の9月の平均価格は4.36ドルだった。米連邦準備制度理事会(FRB)の統計によると、2月の米国の軽油の平均価格は1ガロン当たり3.72ドルだった。3月には4.92ドルに上昇し、9月には6.29ドルに跳ね上がった。
イラン情勢と同様、ウクライナ侵攻も世界の燃料価格に影響を与えている。ウクライナ軍は2023年以降、ロシアの石油精製所に対する攻撃を続けている。その目的は、ロシア国内で燃料不足を引き起こし、ウクライナ侵攻に必要な兵器や装備品の購入に充てられる同国のエネルギー収入を減少させることにある。国際エネルギー機関(IEA)によると、ロシアのガソリン生産量は2025年の水準と比較して20%減少しているほか、軽油生産量は30%近く減少したと推定されている。
空爆に伴うロシア国内の燃料不足を背景に、ロシアは2025年9月、翌月から再販業者による軽油の輸出を一時的に禁止すると発表した。この規制はその後延長され、対象範囲も燃料生産者にまで拡大された。英ロイター通信は、ロシアによる生産業者への軽油輸出禁止措置が2026年10月末まで継続されると報じた。
同国のアレクサンドル・ノバク副首相は2日、今後も「状況を注視し続ける」とした上で、「軽油の生産量が国内需要を上回る場合には、輸出の部分的な再開を検討する」と述べた。同副首相は9日、ロシアは「10月に供給量を増やす準備ができており、製油所が保守点検を終えて操業を再開する11月と12月には輸出も増加すると見込まれる」と述べた。一方、IEAは、軽油の国際市場の逼迫(ひっぱく)により、特に米国などで在庫の取り崩しが進んでいると指摘した。同機関はまた、中東からの軽油輸出が急減したと報告した。


