米国の消費者は何十年にもわたり、購入するクルマを通じて自らのアイデンティティやライフスタイルを主張してきた。電気自動車やハイブリッド車、そしてリヴィアンやルーシッドのような新興自動車ブランドが注目を集め続ける一方で、現実にはずっと同じ3つの車種が米国の自動車販売ランキングを席巻し続けている。その3車種とは、ピックアップトラックのフォード Fシリーズとシボレー シルバラード、そしてSUVのトヨタ RAV4だ。
これら3つの車種の米国での販売台数を合計すると年間200万台近くに達する。米国自動車市場における絶対的なトップ3だ。
フォード Fシリーズ:米国で最も愛され続けているクルマ
フォード Fシリーズは半世紀近くの間、米国で最も売れているクルマの首位を保持し続けている。2025年の販売台数は82万9000台に迫り、楽々とその王座を維持した。
Fシリーズ ピックアップトラックのラインナップは、「F-150」のほか、「スーパーデューティー」と呼ばれる「F-250」「F-350」「F-450」、そしてそれらの商用車仕様が揃っているが、最も売れているのは依然としてF-150だ。
エントリーグレードのF-150は、排気量2.7LのV型6気筒ツインターボ「エコブースト」エンジンを搭載。最高出力325hp、最大トルク400 lb-ft(約542Nm)を発揮する。この他に、より排気量の大きなV型6気筒やV型8気筒エンジン、V6ハイブリッド、そして高性能モデル専用のV8スーパーチャージドを含む数種類のパワートレインから選択できる。2026年モデルのメーカー希望小売価格は「XL」グレードの3万9585ドル(約620万円)から(輸送費・税別)。
Fシリーズの成功の秘密は、その汎用性だ。このクルマは作業用トラック、ファミリーカー、レジャー用の牽引車、そして豪華なクルージング車としての役割を、すべて1車種でこなすことができる。上位グレードの「キングランチ」や「プラチナ」は快適性において高級SUVに匹敵する一方で、依然として強力な牽引性能も備えている。
多くの米国人にとって、Fシリーズは単なる移動手段ではない。それは道具であり、ステータスシンボルであり、ライフスタイルを表現するためのクルマでもある。それらすべてを兼ね備えた存在なのだ。



