「Daybreak Blue」と「Daybreak Red」、対象と使えるAIの違い
OpenAIのサイバーセキュリティ戦略の柱は、審査した協力先に最も高性能なモデルを使わせることだ。Daybreakの参加企業は、最新AIを自社のネットワークやシステムの検査に使い、発見した脆弱性に関する情報を幅広いセキュリティ関係者と共有できる。
参加には「Daybreak Blue」と「Daybreak Red」の2区分がある。一般的なセキュリティチーム向けのBlueでは、OpenAIの最新汎用モデルを、サイバー分野での利用制限を受けずに使える。ネットワークへの侵入を試して弱点を探る検査を、より徹底して実施したい組織はRedに申請できる。Redでは、サイバーセキュリティに特化したOpenAIの高性能GPTモデルを使用できる。参加費は無料だが、モデルの利用量に応じたトークン料金は支払う必要がある。
Blockのセキュリティ検査、数日~数週間の仕事が数時間に
Redを早期に利用した企業には、ジャック・ドーシーが率いる金融技術企業Blockがある。Blockは送金サービス「Cash App」を運営し、時価総額は460億ドル(約7兆2100億円)だ。Blockの最高情報セキュリティ責任者、ジェームズ・ネッテスハイムによると、攻撃者の立場で自社の弱点を調べるセキュリティチームが、以前は数日から数週間かけていた仕事を、AIは数時間でこなせる。「脆弱性の発見、本当に修正すべき問題なのかの確認、そして修正案の作成と提案を自動化する工程で非常に役立っている」とネッテスハイムは語る。
だからといって、利用企業が完全に安心しているわけではない。ネッテスハイムは「懸念しているのは、攻撃者にも同じ作業の多くができるようになることだ」と述べた。
資金の乏しい保守チームにも約1568億円相当のAI利用枠
OpenAIはDaybreakを利用できる組織を選別しており、参加する組織の総数は明らかにしていない。資金が限られるオープンソースソフトウェアの保守チームには、モデルの利用に充てる10億ドル(約1568億円)相当のトークンを提供した。グイドによると、数人のボランティアで運営されるPHPの開発チームも、Patch the Planetとの協力を通じてAIツールの利用を増やしている。


